昔のお話
 とおいとおい昔の話。
 この世に、たったひとつの神がいた。最初の神様は万能で全能。そのありあまる力を以て、混沌とした世界を整えた。
 けれど神はある日気づく。自分だけでは手が足りぬ。
 気づいた神は、あまたの眷属を生み出した。己の分身を生み出した。

 それは万能であるはずだった。しかし。
 不完全な世界に触れた途端、その神とは違うものへと変質した。

 あるものは神に従い、あるものは逆らい。神の子たちもまた、混沌と騒ぐ。
 その様に、神は首をかしげる。ああ完璧はどこにあると。
 それがないのならば、やはり自分だけでよい。
 世界にあるのは、自分のみで。

 ――――そうして神は、遠く遠く。
 誰も見えぬ世界へと旅立った。

 残された眷属は、新しい神様は。思い思いに世を生きる。
 あるものは世界を良くするため、あるものは邪な思いの赴くままに。
 何万もの神のうち、あるものは思いついた。

 己の使命はこの世界をよくすること。
 しかし、この世界のほとんどの生き物は、己たちの声が聞こえない。

 それではまるで手が足りぬ。
 だから作ろう、似ているものを。世を良くするための眷属を。

 ―――そうして作られた、神のレプリカ。
 それを作った神は、それを『ヒト』と名付けた。

 その神話から、とおく、とおく。
 神を恐れたレプリカは、神を忘れて生きていた。
 善なるモノだったレプリカは、いつしかあらゆる色に染まって。
 混沌と騒ぐ世界の色に染まって、ただただ生きる生き物になった。

 彼らはいくつも争いをおこして。いくつもいくつも争いを起こして。だから。
 新しい争いを起こすための場所が。
 争いではじかれた者を囲う場所が。
 いくつも生れて、いくつも消えた。
 ―――これは、その中の一つで紡がれる物語。
 異能と異端を集めて閉じた、危うい世界の端の端。
 追い出して、追い出されて。流れ着いた彼らの話。

リレ小との関係

 リレー小説との違いはたいしてないけれど、あの頃考えてなかった諸々に無理やり理由づけはしてみた。が、たいして変わってない。まあ名前のない町に名前がついたくらいです。性格には手を加えてないからパラレルワールドみたいな位置。
 ただこちらには雅と流のコンビが出演しませんのでBLACK・MISTのメンツはちょっと人間関係が違うというか竜臣そろそろ過労死しそうというか、あの二人の及ぼした被害とか良い影響とかトラウマとかがないわけですね。


内容概要

 異世界ファンタジー…だと思われます。剣と魔法ではないけれど。ファンタジー。近未来ファンタジーというよりかは、色々でたらめな世界のファンタジー。
 色々こっちの世界の単語が出てきますが、異世界。そう見えないのは私の実力不足であってあくまで異世界です。
 通貨とかも自力で考えなきゃいけない気がするのですが、表記が円になっているような。直すの死ぬほどめんどいよ。
 とりあえず、舞台はかなり特殊な『街』。百害あって一利なし、前科もちの巣穴かつ人体実験の名所。特異体質バーゲンセール。
 そんなどれに属してるにしてもあんまり幸せじゃないのが、法の網を掻い潜ったり無視したり飛び越えたりして、厄介ごとを解決する『何でも屋』を営む若者達と、その周辺の物語り。
 平たく言えば裏家業モノ。 必殺仕事人系。あと、廚2.皆、むやみに重っ苦しい過去を背負ってます。コメディ風味かと思えばシリアスだったりなんだったり。一部激甘。しかしヤンデレも投げ売り。ノリはわりと漫画系。
 軽く流血表現等の表現も出るため、苦手な方はご注意を。
 (ちなみにこれを書き始めころ、青月は奪還屋にはまりまくっていました。さすがに城じゃ駄目だ、と最初は通りだったものがいつのまにか町になっていたというあれです)


プロフィール

基本愛憎興味関心意欲無関心打診等入り混じったごった煮の人間関係。何かを求めて得たり得なかったり失くしたり取り戻してたり。
それでも集まっている理由はなんでしょうね。縁じゃないっすかね。
簡易版
詳細版:AveruncusBLACK・MIST曼球沙華その他

軽すぎる用語説明

何でも屋
 本作のメインの職業。基本的に非合法。漫画やゲームとかでよく出てくる職業。以上。
 …ってのは説明でもなんでもないのでウチのオリジナルでの扱いを説明すると「法の力でどうにもならんことをなんでも肩代わりする」職業。
 裏側からの依頼もあれば、『外』(一般人)からの依頼もある。その場合は、間に仲介屋が入っている。
 書いてないだけで汚れ仕事とかもある。一人でやってるところもあれば、何人も集まってやる人もいる。
護り屋
リレ小における雅&流の職業。色んなものを護るのが仕事(まんまやん)。当然裏家業。
仲介屋
 主に何でも屋と外(あるいはスラム街)のつなぎ役。本編ではアルスの副業。他にもやっている人はいくらでもいる。
『制津街』
 本作の主要舞台となっている土地。めでたく名前がついた。読み方はセイヅ マチ。外からそこへと来るのはそう難しいことでもない。大変なのは、生き残ること。外を出すこと(あるいはその逆)を職業にするものもいる。
 はたから見てると無法地帯。色々やばい実験を行っている人がいたりするこが話の端々に出てきている。あと、いなくなってほしいのもたまにつれてこられてはいる。
 半人工島で、面積は…どのくらいなんでしょうね。拡張に拡張を重ねています。
 元は結構普通の町。けれどいつからか兵器開発に利用されたり表で売れないものを売る場所になったりスラム街が大きくなったりしてた。っていうかいろんな意図から『物騒な町』にしたてられてた。
 でも弾丸があんまり流通してないから、槍とか刀とか振り回している人がいる。
 ある程度の治安があるものの何とも言えず危ないところだとは思われてる。一部区画は世界共通危険地帯04認定。他もありますよたぶん樹海とかあらぶってる海域とか、そういうものです  
各地方情勢
 書き手が適当な所為で世界は適当に4つくらい区切られています。『制津街』があるのは分類は東方地方。比較的穏やかな地域で、比較的古いものが残っている地域です。古いものについては後々説明が出来る日が来たら奇蹟。
 穏やかと言っても国内が穏やかなだけで他に色々渡してはいます。資源とか情報とか。人体実験の成果とか。『制津街』があるのはそのため。
 西方と北方は長くその地方でもめ事があるため、東方より全体的な文化レベルは劣ります。もめごとさえなければ、技術はほぼ同じ、資源的にも東方以上のものがそろっているので、理屈の上では軽く追い抜くこともできるのですが。
 争いがなくとも若干技術そのものが遅れをとっているのは、南方地方。ただし、大きな争いは近年なく、その内追いつくともっぱらの噂。4つの地方は地方だけで考えれば、さして勢力に差があるわけではないのです。
 例外は、中央大陸と呼ばれる場所。殆ど人が住んでいないと噂される、他に比べて大きくはない大陸。むしろ小さい。殆ど他と交流をしてこなかったその理由は、恐らくその内。って本当適当だなこれ…。
生活レベル・科学技術
 生活レベル…とりあえず東方地域は現在日本程度なイメージ。科学は色々超越している気がしなくもない。超越というか、その辺りが『基本ファンタジー』です…
 普通に『中国』やら『ツチノコ』やらこちらの言葉が出てきたりするけど、それはきっと本当は違う言葉なんだと思う。私達の言葉に合わせて翻訳されてるだけで。
 …すみませんただ考えてないだけです…

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