概要
NPC情報
*
情報一覧
町の描写
夢パートの流れ
*
朝の異変
HO2トラブル表1
HO2トラブル表2
HO2トラブル表3
*
ED分岐
ED報酬

シナリオ背景
シナリオ本編

  back

幻影譫妄パラフィリア(ゲンエイ・センモウ・パラフィリア)

シナリオ概要

シナリオ名:幻影譫妄パラフィリア(R18)
プレイ時間:約4時間前後(ロールで伸びる可能性アリ)
人数:タイマンOR2PL(*探索者は同じホテルの同じ部屋に泊まり、性交渉に及ぶ関係性に限られる)
推奨:異常性癖がない恋人同士・セフレ。技能はどうにでもなる

PL向け概要

 探索者たちは恋人・セフレのいずれか。性交渉を行うことがある間柄であり、住んでいる町から新幹線2時間、その駅から車で1時間程度の観光地に訪れている。
観光地の名前は「S山町」別におかしな言われはない、ちょっと田舎な町だ。
 S山町には最近新しいホテルができた「ホテル・やどりぎ」という場所で、探索者たちはその2階の部屋に泊まることになる。 宿泊予定は1泊2日。シナリオは1泊目の夜から開始する。
「昼はご愉快R18・夜は拷問系R18G」シナリオ。KPはプレイ前に「HO2トラブル表」>をPLに公開し、地雷があれば差し替えてほしい。

HO1:主人側。攻めでも受けでも可能。催眠状態に陥り、自分のしたくない行為に及ぶ危険性が高い。POWで回避はできるが、回避率は低い。
HO2:奴隷側。受けでも攻めでも可能。意識に干渉されることはないが、体に異常が起きる。理不尽に発情する。
地雷チェックリスト:催眠により自分のしたくない行為を行う・探索者の本意ではない行為・場所・部位で発情する
時間経過による発生する可能性がある地雷要素:拷問を行う・受ける
・夢の中で「誰か」の冒涜的で性的な記憶を追体験しつつ、現実世界で解決手段を探すシナリオです。

 どちらのハンドアウトを選んでも探索難易度は変わりません、どちらのハンドアウトも探索をすることができます。
 若干HO1の方が正気度喪失は重めです。HO2は正気度喪失の回数が多いです。小まめにきます。
 HOに関しては、趣味で選んでください。女が主人側なら女攻めになります。

KP向け概要

 明治時代に「カソーグダ」を信仰していた教団に監禁・拷問・殺害された人間達の幽霊に取りつかれた結果、拷問追体験したり理不尽に発狂するのを楽しむだけのシナリオ。
 人気のない山奥が舞台だが、通報ロストのスリルも味わえるかもしれない。
 クリア手段は「噂を集めてオカルト好きの和服の女に出会い、呪文に成功する」か「5日間夢を見て、亡霊たちが霧散するのを待つ」の2通り。
 亡霊たちの見せる夢は4日目から寄り暴力的になっていく。5日目にはHO2が死亡する夢を見せて来るので、できれば4日目までにクリアできると安らか。

KP向け補足

 ホテルの内装はキレイ。なにしろ新品なので。
 札が張られた部屋などもない。ここで起きた惨劇を知る人間はいないのだから。
 地下にカラオケとゲーセンと会食会場がある。夕食は会食会場で食べられる。山の幸中心で普通に美味しい。
 温泉はないが、1Fに大浴場がある。部屋に小さな風呂もついている。好きなように茶番を楽しんでもいいし、時間短縮ですっとばしてもいい。
 シナリオが始まる条件は「探索者が2Fで性行為に及び、同じ部屋で眠りにつくこと」のみだ。
 お風呂もキレイだよ。でも「キレイで札もないよ」って描写がないとPLは不安で眠れないかもしれない。KPは茶番をまじえつつPLの不安をやわらげてあげてほしい。ホテル・やどりぎを探索しても、情報は特に出ないから。

【ホテル・やどりぎの情報】
・3か月前から開店したホテル。評判は可もなく不可もなく。口コミも可もなく不可もなく
・価格はホテルの規模にしては安い。オープン価格なのかもしれない。
・少し交通の便が悪いことに関しては評判が悪い

KP向け補足

 すごく普通のホテルだという情報が図書館・コンピューター・その他KPが望む技能で提示できる。  値段が安い理由は「長く買い手がつかない土地だったため」である。なぜ買い手がつかないのかを知る人間が直接いなくなった今、地元外の企業が買った。  ホテルの経営状態はクリーン。建物の料金をケチったわけでもない。非常口もちゃんとある。<法律>に成功すればするほどクリーンなことが分かる。
 <経理>でもクリーン。オールクリーン。

【ホテル・やどりぎ・オカルト的な情報】

・4Fの廊下で血まみれの子供を見た
・ホテルが立つ前に子供を抱く女を見た
・近くのトンネルで事故があり、その幽霊が集まっている
・最近、夜、着物を着た暗い顔を最近よく見る。足が見えなかった気がする。
・かつて別のホテルで、その時に心中した男女の幽霊が出る
・かつては処刑場で、冤罪をかけられた霊が無念を訴えている

KP向け補足

 これらの情報は「住人への聞き込み」「ネットワークで検索」で提示できる。
 これらの情報はすべてただのガセだ。
 幽霊を見た人間などいないし、他にホテルがあったことはないし、処刑場だった過去はない。
 「最近、夜、着物を着た暗い顔を最近よく見る。足が見えなかった気がする」に関しては嘘ではない。正確には「夜、着物っぽい服を着た小説家が、長いスカートでネタを探してさ迷っている」だ。表情は鬼気迫ってるし。足は確かに見えなかったのだろう。ロングスカートで。

【ホテル・やどりぎ・歴史的な情報】

・近くのトンネルで事故があったのは事実。30年前、大雨の日にトンネルの補強をしていた作業員2名が、運悪く土砂崩れに巻き込まれた。
・かつて別の建物が建っていたことはない。長い間更地だった。
・大正時代には日本家屋が立っていたらしい
・処刑場だったという歴史も確認できない

KP向け補足

 これらの情報は「住人への聞き込み」「ネットワークで検索」で提示できる。
 大正時代に立っていた日本家屋の主は、カルト教団のことを知っていた。犠牲者少女の親により「そこに住んで、娘たちに起きたことを誰もが口外しないことを監視しろ」と言われた帝都の人間だった。実際は事件が発覚した明治から住んでる。

情報一覧

【ホテルやどりぎ・周辺マップ】
・お土産屋&郷土館
・神社&ハイキングコース
・寺
・ガラス工房体験
・歓楽街
・その他観光っぽいもの

【着物の女の噂1】
(観光客・地元の10〜30代など)
「着物っぽい服の人に話しかけられました、オカルト的な話はないですか、って」
「小説家で、ネタを探しているらしいですよ」
「ホテル・やどりぎってところに幽霊が出るって聞いたそうなんです」
「これからハイキングコース行く、っていってましたけど。あの格好じゃ大変でしょうね」
「顔色悪い人で。あれじゃあどっちが幽霊だよ、って話でしたね」

「ガソ―グダ? 聞いたことないです」

【着物の女の噂2】
(地元の40〜60代など)
「着物っぽい服の人に話しかけられました、オカルト的な話はないですか、って」
「小説家で、ネタを探しているらしいですよ」
「ホテル・やどりぎってところに幽霊が出るって聞いたそうなんです」

「ホテル・やどりぎね。ようやくホテルが建ったのに、大変だねえ」
「あそこ、長いこと空き地だったんだ。なんか地盤が悪いとか、そうじゃないとか…」
「…年寄は『よそ者が住んでた土地』とか言うね。イマドキすげえことを言うもんだよ」

「ガソ―グダ? あなたはそういうのを探してるんですか。あの着物の子は、幽霊を探してましたけど」

【神社のバイトの話】
「ここはずっと菅原道真公を祀っていますよ」
「改装の理由? さあ?その時景気良かったんじゃないですか? 今は全然ですけど」
「ガソ―グダ? 知りませんね。妖怪ウォッチですか?」

 *オカルト的な話題を出すなら 「3日くらい前かな、同じようなことを聞く女の人がきました」
「小説家で、スランプで。すごく困ってるって言ってました」

「しかしその人ね。ハイキングコースも行くって言ってたんですけど。やめた方がいいみたいな顔色と服装でしたねえ。着物みたいなカーディガン着てて、長いスカートで。都会ならいいだろうけど、田舎の道には向かないなって思いました」
「記念だから、って、学業成就のおまもり買ってきました」
「ガソ―グダ? 世の中やおろずの神がおわすって言いますからねぇ。いるんじゃないですか?(知らない」

【寺の住職の話】
「ここの寺はね。真言宗の寺です」
「改装の理由? なんでしょうねえ、当時の資料など残ってはいませんし…、こういった、宗教に力をいれてくれるのはありがたいことですね。皇族の権威が増す時代に、珍しいといえばそうだったのかもしれません」
「ガソ―グダ? …ふむ、聞いたことがありません。寺の管轄といった名前の響きでは、ないですねェ」

 *オカルト的な話題を出すなら 「昨日、似たようなことを聞く女の人がきました」
「小説家で、ネタを探しているらしくてね。オカルト的な話なら何でもいいと言っていたよ」

「髪はショートで、年は…20とか30とか? 徹夜続きらしくてねえ、真っ白い顔だったよ。気の毒に」
「こう、着物みたいなカーディガン羽織ってて。ロングスカート。別に街中歩くならともかく、この寺の周りは道も悪いから…スカート汚れますよといったんですが」
「この町にね、旅行者向けの貸衣装屋があるからさ。着物とか着たいなら、それを着て街中を散歩すればいいのにねえ。…いや、女性の服装にケチをつけるのは野暮だね」

【ガラス講師に話を聞く】
「ここ、なにもないところでしょう? だから少しでも盛り上げたいな、って。そうしてここを作ったんです」
「新しい雇用がないとサビれてくばっかりですからねえー。ホテルができてくれたのはありがたいです」
「なんか、私のおばあちゃんがいうには、あんまりいい土地じゃないらしいですけど。ほら、でも。汚い金でも寺は立つ、っていうか。汚い土地でもホテルは立ちますよ」

【慰霊碑近くのおばあちゃんの話】
「そこの慰霊碑にねえ、食べ物や花を供えるのはやめてくれないかい? 気持ちは嬉しいけどね、クマが来るよ」
「そこの事故はね。30年くらい前でね、可哀そうに…。台風が来る前にねえ、痛んでいるところを直そうって話だったらしいんだ。
 けど、予定より早く雨がふって。撤収しようという時に、ねえ…。…人の運命などわからないね。少し立つ位置が違えば、助かっただろうに」

「ホテル・やどりぎの土地かい? ああ、確かに長く空き地だったよ。私の母親(故人。存命なら95)はねえ。あそこは汚らわしい土地だと言っていたね」
「よそから人が引っ越してきていたからね。そういうので嫌われてたらしいんだ。おかしい話だろう? けれど、そういう時代もあったのさ」

「和服の子? ああ、みたねえ、そんな恰好でこんなところを歩いていたら危ないよ、かわいいお洋服も汚れるよ、って…いったんだけどねえ。
 大丈夫大丈夫で歩いて行ってしまったよ。大丈夫かね」

【探索者帰宅後・探索マップ】
・図書館
・人の集まるところ
・歓楽街
・HO1の自宅
・HO2の自宅

(帰ってもクリアはできますよという仮マップ。5日耐久すればいいわけだし、「こんな村にいられるか!」って気持ちになる人もいると思う。あんまり想定はしていないのでKP描写頑張ってください)

町の描写

*S山町は「山のふもとの町」で「ホテル・やどりぎ」は山のふもとに立っているホテルだ。
つまり暗がりは豊富。頑張れHO2.君の人権を守れるのは割と暗がりだけである。と伝えてほしい。

お土産屋

 このあたりの名物や、よくわからない木彫りの人形が売っている。
 別に怪しいものはない。お土産屋さんによくあるタイプ。
 名産品は大学芋とスイートポテト。どっちもお芋。

郷土館

 お土産屋さんの隣に併設されている。大きな場所ではない。
 古くからこのあたりが農業を行っていたこと、貧しい村であったことが軽く触れられている。サツマイモはやせた土地でもよく育つので、なじみのある食材だったようだ。

 30年ほど前に、この町の近くのトンネルで事故があり、作業員が2名ほど亡くなったことにも触れられている。
 痛ましい事故として、慰霊碑がトンネル脇にあるそうだ。(郷土館から車で15分ほどだ)

神社

 ハイキングコースの入り口辺りに、小さな神社がある。
 菅原道真を信仰しているらしい、ごくごく普通の神社。学問成就を祈れる。
 おかしな点は見られない。
 歴史が書かれた看板を見ると、室町時代に作られたらしい。
 そして、大正に改装工事があったと書いてある。
*寺を見た後のアイデア…神社の改装工事があった一年後に、寺を改装している。

 ハイキングコースに関しては、そこそこ整備されていて歩きやすい。適度に木もおいしげってるので、HO2トラブル表をふっても大丈夫なエリア。
<神社のアルバイトに話を聞く>ハイキングコースの通行人から<着物の女の噂>を聞くことができる。

 ごくごく普通の寺。真言宗。空海を祭っている。
 おかしな点は見られない。
 歴史が書かれた看板を見ると、安土桃山時代に作られたらしい。
 そして、大正に改装工事があったと書いてある。
*神社を見た後のアイデア…神社の改装工事があった一年後に、寺を改装している。
<寺の住職に話を聞く>通行人から<着物の女の噂>を聞くことができる。

KP向け補足

 神社・寺の改装時期が同じなのは「ガソーグダ信仰があった事実」を打ち消す最後の仕上げ。
 元々ガソーグダを信仰していたのは村の2割といったところ。黙認していた村人もいるが。ガソーグダ信者たちが捉えられ、迫害された後は、そこで怒った不名誉を消そうと、村人が金を集めていた。
 そのための資金が集まったのがその時期だった。 

ガラス工房体験

 キレイなガラス製品が並んだ工房の脇で、コップづくりを体験できる。
 DEX*5でキレイなコップができる。たのしい。
 講師の女性が超美人。たのしい。
 <ガラス講師に話を聞く>通行人から<着物の女の噂2>に話を聞くことができる。

 講師は地元の人間だが、情報量は通行人と大差ない。
 地元の人間なので「ホテル・やどりきの土地は、ずっと空き地だった」と教えてはくれる。
 ちなみにガラス工房ができたのは最近。すたれ行く地元のために工房を持ってきた。ネットとかですごく宣伝してる。地元を愛する美人講師である。

歓楽街

 飲み屋やキャバクラ、ラブホなどの並ぶエリアだ。
 昼間はあまり空いている店がない。昔懐かしのタバコ屋がある。
 <通行人に話を聞く>ことができる。

 酔っ払いにHO2が絡まれてセクハラでもされると楽しいと思う。
 歓楽街なのでいつトラブル表が火を噴いても安心。都合のよい暗がりがいっぱいある。

その他観光っぽいもの

言ってくれたら、生える。KPは頑張ってほしい。

【幽体をひきはがすおまじない】
このおまじないを試すときは
憑りつかれた人と手をつないでください

そうして呪文を唱えましょう
(数ページにわたり。呪文が書いてある)
呪文をとなえながら。魂を捕まえたいと念じましょう

この呪文を唱えると、憑りついている魂を見つけることができます
見つけた魂は、この箱にいれてしまいましょう

この箱は万能の存在です
さまよえる魂をとらえて、癒してくれます

【幽体を箱に閉じ込める(オリジナル呪文)*ベース:夢見る人の罠(291p)+魂の監禁(P271)】
【コスト】

 18MP(分担可能)正気度ポイント3(分担不可)
【手順】
1・分担可能な10MPを提出し、対象のPOWと対抗(この本を見ていれば合算可能)
2・成功したらさらに8MPを提出し、成功率70%で1d100をふる(この本を見ていれば合算可能)
3・以降、1MPを提出ごとに「成功率5%」増。

 本来は魂をとらえる対象とPOW対抗が入るが、このシナリオでは成功率70%の呪文として扱う。
 もしも2人のMPが18に満たない場合、箱に足りないMPが入っていたことにしても良い。
 オリジナル呪文にしてはコストが重いのは、「1日に一度だけ挑戦してほしい」というシナリオ作者からの下心なので、諸々改変可能。

夢パート

 夢パートはどんどん改変してほしい。
 流れは以下の通り。

1度目…性的調教。
HO1:POW*1で我に返る…意に反して行動していたことへのショック(我に返った正気度喪失:1d6)
HO2:親しい相手の変貌・異常な状況への抵抗感・正気度喪失:1d3
2度目…性的調教。
HO1:POW*2で我に返る…意に反して行動していたことへのショック(我に返った正気度喪失:1d6)*慣れルール
HO2:親しい相手の変貌・異常な状況への抵抗感・正気度喪失:1d3*2度目なので慣れルール
3度目…おかしなものを食べさせる。
HO1:POW*3で我に返る…意に反して拷問を行ったことへのチェック(我に返った正気度喪失:1d10)
HO2:親しい相手の変貌・拷問への衝撃・正気度喪失:1d10
4度目…窒息させる。
HO1:POW*4で我に返る…意に反して拷問を行ったことへのチェック(我に返った正気度喪失:1d10)*2度目なので慣れルール
HO2:親しい相手の変貌・拷問への衝撃・正気度喪失:1d10*2度目なので慣れルール
5度目…四肢切断・殺害
HO1:POW*5で我に返る…意に反して拷問を行ったことへのチェック(我に返った正気度喪失:1d10)*3度目なので慣れルール
HO2:親しい相手の変貌・拷問への衝撃・正気度喪失:1d10*3度目なので慣れルール

ロールの方針・HOごとの状況

 亡霊は「自分の形を忘れたうらみつらみの集合体」だ。だからこそ、HO1の体(夢なので精神体)を奪っている。
 夢の中でHO1は「亡霊たちの声をきき、その恨みつらみにあてられて昏迷を起こしている」ような状態。
 亡霊たちが望む行動だけをとる。POW×に成功すると我に返る。我に返ってもできることはさほどない。HO2をそれ以上いたぶることはないので、そこは良いことだが。
 HO1の性格・行動方針は無視される。のだが。もしもHO1が「主人」としてふるまうことに喜びを感じるタイプ(無自覚・自覚ありは不問)ならちょっと楽しんでしまうのかもしれない。
 心理学・精神分析をふるなら、成功でHO1の状態は「用意された台詞をなぞっている」と分かる。
 それに喜びを感じるかどうかは、HO1の性格次第。この「主人役」に苦痛・戸惑いを感じないのであれば、仮面のように無表情。たまに笑う。亡霊が笑っていたときは笑う。
 喜びを感じるならちょっと充てられてしまう。ご満悦。というか、そのあたりはHO1のPL任意だ。

 なお、亡霊は明治を生きた者たちだが、HO1の体を借りているため、口調・語彙はHO1に準ずる。だって地味に大変なので。時代物の台詞回しは。
 HO1が我に返るキーワードは基本的に「HO2に名前(苗字でも)を呼ばれる」こと。それかKP任意のタイミング。

 HO2に関しては思考は正常。体がおかしな状態になるのは「夢を作り出している亡霊たちに付与されたスキル」亡霊たちは本人の望みに関わらず「カソーグダの信者」として死んだため、おかしなスキルが生えてしまっている。
 HO2はHO1に抵抗できる。が、体が異常に敏感だし基本的に縛られてるので苦労する。頑張ってほしい。頑張らなくても夢は終わる。

HO1の後ろに見える影

 各夢の終わりにHO1の背後に見える「影」は夢の始まりにHO1に声を聴かせている人物の「死亡時の姿」だ。死因は現れていないが。
 意識がまじりあっているが、その夢で一番強く出ている意識が影になって見える。
 1度目:HO1の後ろに、黒い着物を着た12歳程度の少年の影が見えた
 2度目:手袋をはめた13歳程度の少年の影が見えた
 3度目:白い着物を着た15歳程度の少年の影が見えた
 4度目:HO1の後ろに、半裸で震える16歳程度の少女の影が見えた。
 5度目:紫の袈裟を羽織った、18歳程度の少年の影が見えた。

朝にHO2が異変に襲われるタイミングでも同じような影が見える。
 こちらはランダムなので上記の誰かを描写してほしい。

HO2の状態まとめ

・性的欲求が高まり過ぎて、うまく頭が使えない(能力値×任意以外の全ての技能値-10)
・どこを触られても性的興奮を感じる。
・「頭に浮かんだ欲望」を満たし、一度絶頂すれば上記のマイナスは消える。
・「頭に浮かんだ欲望」は多少頭に残るし、多少(性的に)落ち着かないが、行動に差し支えはない。処理的にはファンブルださなきゃなんのマイナスも入らない。

<この意味不明な欲望に抵抗したい:POW*5(あるいは任意)に成功する>
<絶頂するかしないか:CON*5(あるいは任意)に成功する>

頭に浮かんだ欲望については<HO2トラブル表>参照。

HO2トラブル表

HO2トラブル表1:1日目・午前中(1d4)

1:脚への執着
今のこのどうしよもない興奮を脚を使ってどうにかしたい。
HO1に脚を使って攻めてもらうのでも、あなたがHO1の足に何かするのでもどちらでも構わない。
あるいは、あなたが自分の足に性的になにかしてほしいのかもしれない。
頼んでもいいし、有無言わせずでもいい。HO2次第。

2:胸部への執着
今のこのどうしよもない興奮を乳房とか乳首とかを使ってどうにかしたい。
HO1に胸を使って攻めてもらうのでも、あなたがHO1の胸に何かするのでも、どちらでも構わない。
あるいは、あなたが自分の胸に性的になにかしてほしいのかもしれない。
頼んでもいいし、有無言わせずでもいい。HO2次第。

3:臀部への執着
今のこのどうしよもない興奮を尻を使ってどうにかしたい。
HO1に尻を使って攻めてもらうのでも、あなたがHO1の尻に何かするのでもどちらでも構わない。
あるいは、あなたが自分の尻に性的になにかしてほしいのかもしれない。
頼んでもいいし、有無言わせずでもいいHO2次第。

4:体液への執着
今のこのどうしよもない興奮は相手の体液を摂取すればどうにかなる気がする(錯乱)
唾液でも汗でも血液でも涙でも鼻水でも尿でも精液でも愛液でもすべて体液。HO2次第。
頼んでもいいし、有無言わせずでもいい。HO2次第。

HO2トラブル表2:1日目・午後(1d4)

1:ナレートフィリア・コプロラリア。実況したい
今のこのどうしよもない興奮を、誰かに言葉で伝えたい。
ぼかしてもいいし、猥褻な言葉にしてもいい。
ただ誰かに聞いてほしい。それが今、快楽に直結している。
しばらくそうしていれば、欲求は収まる。

2:エキシビショニズム。露出したい
今のこのどうしよもなく興奮した体を見てほしい。
人目のないところで、人目のあるところでもいい。
ただ誰かに見てほしい。それが今、快楽に直結している。
しばらくそうしていれば、欲求は収まる。

3:サドマゾヒズム。拘束されたい・したい
今このどうしよもなく興奮した体を縛ってほしい。これ以上乱れないように。
違う、このどうしよもない興奮を鎮めるために、相手の自由を奪ってしまいたい。
正反対の欲求が、奇妙に均衡する(どちらを選ぶかはHO2任意)

人目のないところで、人目のあるところでもいい。
自由を奪われた・奪った状態で一度絶頂すればある程度収まる。

4:サドマゾヒズム。罵られたい・したい
今このどうしよもなく興奮した体を詰ってほしい。これ以上乱れないように。
違う、このどうしよもない興奮を鎮めるために、相手を詰ってしまいたい。
正反対の欲求が、奇妙に均衡する(どちらを選ぶかはHO2任意)

人目のないところで、人目のあるところでもいい。
言葉責めされるか、するかで一度絶頂すればある程度収まる。

HO2トラブル表3:2日目・午前〜5日目午後まで(1d6) 

1:性的興奮の高まり。相手に性的なことをしてほしい
本番でも前座でもなんでもいい。なんでもいいから相手に主導権を握ってほしい。
一度絶頂すればある程度収まる。

2:性的興奮の高まり。相手に性的に奉仕したい
本番でも前座でもなんでもいい。なんでもいいから相手を乱れさせたい。主導権も欲しい。
一度絶頂すればある程度収まる。

3:アブノーマルプレイ。どちらが攻めかはHO2任意。
口・肛門などの性器以外の場所で行為がしたい。
HO2が攻めをしたいのか、受けに回りたいのかはHO2任意。
フェラだったりアナルだったりクンニだったり逆アナルだったり、性器を使わない性行為すべてが欲求の対象だ。別に手でも足でもいい。
一度絶頂すればある程度収まる。

4:ヒューマン・アニマル・ロールプレイ。家畜のように扱われたい、扱いたい。どちらが攻めかはHO2任意。
犬・猫・馬・・牛・鳥その他家畜呼ばわりされたいのかもしれないし、そのように扱いたいのかもしれない。
このプレイを主導するものが、相手をに二本足で歩かせることはないし、服を着せないし、見せびらかしたいし、管理したい。
必ずしも性行為を伴う必要はない。この欲求の本質は相手を家畜として扱うことだ。
管理の必要な愛玩動物として扱うことに、異常な興奮を覚える。
一度絶頂すればある程度収まる。

5:ポゼッションプレイ。家具のように扱われたい、扱いたい。どちらが攻めかはHO2任意。
人間便器・人間椅子・人間ベッド・人間蝋燭・人間花瓶など。
必ずしも性行為を伴う必要はない。この欲求の本質は相手をモノとして扱うことだ。
モノとして扱うこと・扱われることに、異常な興奮を覚える。
一度絶頂すればある程度収まる。

6:暴力行為。道具でも素手でもどちらでも。どちらが暴力をふるう側かはHO2任意。
殴る・蹴る・切る・焼く・強姦など。
必ずしも性行為を伴う必要はない。この欲求の本質は相手が苦しむ姿が性的興奮につながることだ。
暴力をふるうこと・振るわれることに、異常な興奮を覚える。
一度絶頂すればある程度収まる。

ED分岐

 EDが分岐する条件は「幽体をひきはがすおまじない」に成功するか、しないかのどちらかだ。
5日目までに呪文が成功すればED1・呪文を成功できなければED2になる。

 ちなみに。
 もしも探索者が「ホテル・やどりぎ」の営業停止や、亡霊たちの慰霊碑の設置を望むのであれば、いくつかの条件をクリアした後にKP任意の技能をふることができる。

【ホテル・やどりぎの営業停止の条件】
・<ホテル・やどりぎ>にいやがらせ・営業妨害を仕掛ける。
・営業妨害行為が成功した、と判断できるダイス目がでれば、ホテルは営業を停止する。

 一般人探索者なら下手したら逮捕エンドだし。
 そうでなくても、逮捕エンドのリスクはつきまとうが。

【慰霊碑の設置の条件】
・S山町地元民の信用を得る(1名でも可)
・幽霊を見たと訴える

 幽霊が実際にいるかどうかはともかく、<ホテル・やどりぎ>が訳ありの土地であることは、地元民は薄々勘づいている。日本でひとが死んでいない土地の方が少ないという説もあるが。
 ただ、「実際になにがあったのかは分からない」ため、問題視するものがいないのである。
 もしも探索者が「ここでひどいことがあったので、供養してほしい」と訴えるのであれば、慰霊碑の前にいたおばあちゃんのような人達が「もしかしたら上の世代が隠していたのはそういうことなのでは?」と動いてくれる。
 「いっそ謎のオカルトスポットとして売り出そう」とか働きかけると判定にプラス補正が入る。この町は過疎化が進んでいるし、お金もあんまりない。商売繁盛すれば、交渉にプラスが入ることだろう。
 実際は頭おかしいと言われて終わりそうだが。このシナリオはCoCだ。探索者的な考え方をするNPCだっているだろうという、あれ。

ED一覧

【報酬】
ED1:乗り越えた悪夢
生還報酬…1d6+1(異常な状態で生存をあきらめなかった)
亡霊を退散させた…1d3(神話的恐怖に対抗した)

【報酬】
ED2:悪夢の果てに
生還報酬…1d6+1(異常な状態で生存をあきらめなかった)

シナリオ背景

 時はさかのぼり、明治の初頭。
 カソーグダを信仰するカルト集団があった。
 教団はセックス・ドラッグ・拷問を伴う血まみれの儀式でカソーグダの解放を目指していた。
 その集団は、単独での儀式では足りぬと外部から人を買い付け、あるいはさらってきた。
 その冒涜的な儀式が行われていたのが、シナリオ開始に訪れるホテルのあった土地である。

 既に娼妓解放令の出た時代。されど売春そのものが禁止されていたワケではない時代。
 儀式に使う贄を調達するのは、今よりとても簡単だ。被害は明治18年ほど続き、大量の犠牲者を出した。
 大量の犠牲者がいたのだが、遺体は残らなかった。事件として残っているのは「明治時代、少女が数名がさらわれ殺害された」という記録のみ。
 正確に言うのであれば、暴行された少女の親達がその事実を「不名誉」ともみ消したことで、事件の記録さえ残らなかった。
 記録に残らずとも、犠牲者の無念は残った。
 幽霊は「犠牲者の意識の集合体」だ。長い間さまよいすぎて、犠牲者たちの意識はまじりあってしまっている。
 見える影が毎回違うのはそのせい。
 夜はHO1にとりつき、「主人役」を押し付けられていた人間の意識が表に出ている。夢の中では力を得るタイプの亡霊なため、HO1は行動まで縛られる。
 昼はHO2にとりつき、「奴隷役」を押し付けられていた人間の意識が表に出ている。
 夢シーンで段々POWの倍率が上がっていくのは、亡霊が夢を見せるたびに力をうしない、抵抗しやすくなっているためである。

 幽霊達はホテルの2Fで性行為を行った・類似した行為を行った相手にとりつく。
 憑りつき、自分たちの苦痛を訴える。
 あるいは、自分たちが死んだことすら気づかぬまま、たまたま乗り移ることのできた体で、かつての「役割」をこなしているのである。
 割と普通に可哀そう。
 とりつかれてる探索者たちも可哀そう。
 ちなみに2Fでのみ取りつかれる理由は「2Fで最後の儀式(拷問後の殺し合い)」が行われていたから。一番血なまぐさいから。

 こういった背景があるが「ホテル・やどりぎ」に幽霊が出るという噂が出たのは、偶然だ。
 「誘拐された男女の幽霊が出る」「痴情のもつれで自殺した男女に恨まれる」「昔は墓場だった」ホテルによくある怪談話である。
 ただ、その噂を聞いて興味を持ったオカルトマニアが「やどりぎ」の近くをフラフラしている。
 オカルトマニアはオカルトマニアなので、かつて面白半分に入手していた「夢見る人の罠(291p)+魂の監禁(P271)」を探索者に授けてくれるのであった。まさか使えるとは思っていない。徹夜明けで変なテンションになっているおかしな生命体なのである。

 なお、この後ホテルは「カップルで2Fにとまると悪夢を見る・破局する」という噂が多少出るかもしれない。出ないかもしれない。
 悪夢を見るだけといえば「だけ」だし、夢の内容も内容だ。その噂が広がるには時間がかかるだろうが。