シナリオ名:幻影譫妄パラフィリア(R18)
プレイ時間:約4時間前後(ロールで伸びる可能性アリ)
人数:タイマンOR2PL(*探索者は同じホテルの同じ部屋に泊まり、性交渉に及ぶ関係性に限られる)
推奨:異常性癖がない恋人同士・セフレ。技能はどうにでもなる
PL向け概要
探索者たちは恋人・セフレのいずれか。性交渉を行うことがある間柄であり、住んでいる町から新幹線2時間、その駅から車で1時間程度の観光地に訪れている。
観光地の名前は「S山町」別におかしな言われはない、ちょっと田舎な町だ。
S山町には最近新しいホテルができた「ホテル・やどりぎ」という場所で、探索者たちはその2階の部屋に泊まることになる。
宿泊予定は1泊2日。シナリオは1泊目の夜から開始する。
「昼はご愉快R18・夜は拷問系R18G」シナリオ。KPはプレイ前に「HO2トラブル表」>をPLに公開し、地雷があれば差し替えてほしい。
HO1:主人側。攻めでも受けでも可能。催眠状態に陥り、自分のしたくない行為に及ぶ危険性が高い。POWで回避はできるが、回避率は低い。
HO2:奴隷側。受けでも攻めでも可能。意識に干渉されることはないが、体に異常が起きる。理不尽に発情する。
地雷チェックリスト:催眠により自分のしたくない行為を行う・探索者の本意ではない行為・場所・部位で発情する
時間経過による発生する可能性がある地雷要素:拷問を行う・受ける
・夢の中で「誰か」の冒涜的で性的な記憶を追体験しつつ、現実世界で解決手段を探すシナリオです。
どちらのハンドアウトを選んでも探索難易度は変わりません、どちらのハンドアウトも探索をすることができます。
若干HO1の方が正気度喪失は重めです。HO2は正気度喪失の回数が多いです。小まめにきます。
HOに関しては、趣味で選んでください。女が主人側なら女攻めになります。
KP向け概要
明治時代に「カソーグダ」を信仰していた教団に監禁・拷問・殺害された人間達の幽霊に取りつかれた結果、拷問追体験したり理不尽に発狂するのを楽しむだけのシナリオ。
人気のない山奥が舞台だが、通報ロストのスリルも味わえるかもしれない。
クリア手段は「噂を集めてオカルト好きの和服の女に出会い、呪文に成功する」か「5日間夢を見て、亡霊たちが霧散するのを待つ」の2通り。
亡霊たちの見せる夢は4日目から寄り暴力的になっていく。5日目にはHO2が死亡する夢を見せて来るので、できれば4日目までにクリアできると安らか。
着物の女…PN:山下上子35歳
見た目:黒髪ショート。疲れた笑顔が脳裏に焼き付きまくる疲れ切ったAPP12.
S山町で「オカルト的な話」を探し回る「着物の女」ネットの書き込みでは、「ホテル・やどりぎ」に現れる幽霊の一種だと思われている。
その正体は「仕事に行き詰まり徹夜しまくって顔色が死人」な「締め切りが怖くて暗い顔で笑ってる」哀れな小説家である。ペンネームは「山下・上子(ヤマシタ・カミコ)」「上だか下だか分からないでしょ、うけるー」ってつけた。本名は木見原可奈子(きみはら・かなこ)。年齢は35歳。カレシ募集中。着物っぽいカーディガンとロングスカートはただの趣味。スカートは住人の指摘通り山道には向かず、汚してしょんぼりもした。
服装は「和服風ブラウス」と「山歩きに向かないロングスカート」地元民に「その恰好は泥だらけになる」と温かいツッコみを入れてもらっているが、「大丈夫大丈夫ー」とハイキングコースだったり慰霊碑近くだったりにいってしまうタイプ。帰りは泥だらけで疲れた笑みを浮かべている。スカートが黒いのと顔色が悪いので、遠目からは幽霊に見えるレベル。「子供を抱いた母親の幽霊」は彼女が元ネタである。「子供のように大事に白い袋(スイートポテトが入ってる)脚が見えないように見えた女」だ。
シナリオで探索者たちに会う時は、めでたく脱稿している。
脱稿で大変にテンションが高い。テンションが高いので別の場所で手に入れた「幽体を箱に閉じ込める」に使う冊子を探索者に見せてくれる。探索者が「オカルトが好き」と判断したり「幽霊に困っている」と口に出すならば。
そして探索者がKP裁量の技能に成功・あるいは無条件で譲ってくれる。締め切り開けで機嫌がいいし、同じオカルト好きを見つけたらテンションがあがるから。
幽霊のことなど、本当はなにもしらない。とっても無害なNPC。
いい人なので、探索者の受難を聞いたら笑わずに悲しんでくれる。
彼女も「ホテル・やどりぎ」に2Fに泊まっている。カレシがいなくて命拾いした女でも、ある。
亡霊
POW8、INT10の亡霊。亡霊なのでモノには触れない。夢の世界で力を得るタイプの亡霊のため、夢の中ではHO1の行動を縛れる。本来亡霊への攻撃はPOW対抗だが、本シナリオでは「POW×変化する倍率」で対抗するシステムになっている。
死因は「餓死3割、衰弱からの病死3割、最終的な拷問による処刑4割」大人になれた生贄はいない。
彼らが「主人」「奴隷」役をあてがわれていた理由は、効率よく人の尊厳を削るためであり、冒涜的なことをさせるため。なによりも「生贄たちの団結を阻み、決して協力させないこと」が目的。
主人役は奴隷役に害されることはない。が、奴隷が反抗する度に信者たちから暴行を受けている。それが嫌で主人に没頭したものもいれば、そうされるまでもなく「主人」に酔ったものもいる。
最初は売りに出された寒村の子どもたち。時代が進むにつれ「恵まれた子供の方が効果があるのでは?」という意見が出たため、誘拐されてきた子供。教団の悪事がバレる原因となったのは、帝都の女学校に通っていた少女を誘拐したためである。
あなた方はとあるホテルに泊まっている。「ホテル・やどりぎ」という新しくできたホテルだ。
S山町にあるS山のふもとに建っている。
新しいだけあって、内装はキレイ。さほど広くはないが快適にすごせそうな7F建てのホテルだ。
探索者たちが部屋をとっているのは2F。素泊まりプランなので、朝食はホテルの外でとる必要がある。
KP向け補足
ホテルの内装はキレイ。なにしろ新品なので。
札が張られた部屋などもない。ここで起きた惨劇を知る人間はいないのだから。
地下にカラオケとゲーセンと会食会場がある。夕食は会食会場で食べられる。山の幸中心で普通に美味しい。
温泉はないが、1Fに大浴場がある。部屋に小さな風呂もついている。好きなように茶番を楽しんでもいいし、時間短縮ですっとばしてもいい。
シナリオが始まる条件は「探索者が2Fで性行為に及び、同じ部屋で眠りにつくこと」のみだ。
お風呂もキレイだよ。でも「キレイで札もないよ」って描写がないとPLは不安で眠れないかもしれない。KPは茶番をまじえつつPLの不安をやわらげてあげてほしい。ホテル・やどりぎを探索しても、情報は特に出ないから。
【ホテル・やどりぎの情報】
・3か月前から開店したホテル。評判は可もなく不可もなく。口コミも可もなく不可もなく
・価格はホテルの規模にしては安い。オープン価格なのかもしれない。
・少し交通の便が悪いことに関しては評判が悪い
KP向け補足
すごく普通のホテルだという情報が図書館・コンピューター・その他KPが望む技能で提示できる。
値段が安い理由は「長く買い手がつかない土地だったため」である。なぜ買い手がつかないのかを知る人間が直接いなくなった今、地元外の企業が買った。
ホテルの経営状態はクリーン。建物の料金をケチったわけでもない。非常口もちゃんとある。<法律>に成功すればするほどクリーンなことが分かる。
<経理>でもクリーン。オールクリーン。
【ホテル・やどりぎ・オカルト的な情報】
・4Fの廊下で血まみれの子供を見た
・ホテルが立つ前に子供を抱く女を見た
・近くのトンネルで事故があり、その幽霊が集まっている
・最近、夜、着物を着た暗い顔を最近よく見る。足が見えなかった気がする。
・かつて別のホテルで、その時に心中した男女の幽霊が出る
・かつては処刑場で、冤罪をかけられた霊が無念を訴えている
KP向け補足
これらの情報は「住人への聞き込み」「ネットワークで検索」で提示できる。
これらの情報はすべてただのガセだ。
幽霊を見た人間などいないし、他にホテルがあったことはないし、処刑場だった過去はない。
「最近、夜、着物を着た暗い顔を最近よく見る。足が見えなかった気がする」に関しては嘘ではない。正確には「夜、着物っぽい服を着た小説家が、長いスカートでネタを探してさ迷っている」だ。表情は鬼気迫ってるし。足は確かに見えなかったのだろう。ロングスカートで。
【ホテル・やどりぎ・歴史的な情報】
・近くのトンネルで事故があったのは事実。30年前、大雨の日にトンネルの補強をしていた作業員2名が、運悪く土砂崩れに巻き込まれた。
・かつて別の建物が建っていたことはない。長い間更地だった。
・大正時代には日本家屋が立っていたらしい
・処刑場だったという歴史も確認できない
KP向け補足
これらの情報は「住人への聞き込み」「ネットワークで検索」で提示できる。
大正時代に立っていた日本家屋の主は、カルト教団のことを知っていた。犠牲者少女の親により「そこに住んで、娘たちに起きたことを誰もが口外しないことを監視しろ」と言われた帝都の人間だった。実際は事件が発覚した明治から住んでる。
あなた方は性行為の後、同じ部屋で眠りにつく。
特に不審な点もない、穏やかな眠りにつくことができる。
ただ、眠りに落ちるその瞬間、声を聴いた気がする。
「お前は主人、奴隷を作る」
「お前は奴隷、主人のもの」
冷たい声が、それぞれに聞こえた。
→夢パートに以降
・夜に「夢パート」で夢を見る
↓
・朝、HO2が目覚め、数分後にHO2が目覚める(性格・生活習慣は無関係)
↓
・朝の<HO2トラブル表>を振り、やり過ごし、午前中パートを開始する
↓
・午後パートに行く前に<HO2トラブル表>を振る
↓
・午後パートをこなす
↓
・夜、夢を見る
↓
・解決まで繰り返す
KP向け補足
探索箇所は原則午前パート・午後パートに一つずつ。勿論改変していただいて構わない。
この流れを繰り返し、「夢を5回見る」か「幽体を箱に閉じ込める(オリジナル呪文)*夢見る人の罠(291p)+魂の監禁(P271)」を入手し、成功させることがシナリオ終了条件だ。
神社・寺への訪問・物産館への訪問・噂話の入手で情報を拾っていくことになる。
<着物の女の噂>を1つ入手した状態+2〜5日目の夜に「ホテル・やどりぎ」周辺に行くと<解決手段とのエンカウントイベント>が発生する仕組みになっている。
フラグ管理系の茶番シナリオなのだ。
【ホテルやどりぎ・周辺マップ】
・お土産屋&郷土館
・神社&ハイキングコース
・寺
・ガラス工房体験
・歓楽街
・その他観光っぽいもの
【着物の女の噂1】
(観光客・地元の10〜30代など)
「着物っぽい服の人に話しかけられました、オカルト的な話はないですか、って」
「小説家で、ネタを探しているらしいですよ」
「ホテル・やどりぎってところに幽霊が出るって聞いたそうなんです」
「これからハイキングコース行く、っていってましたけど。あの格好じゃ大変でしょうね」
「顔色悪い人で。あれじゃあどっちが幽霊だよ、って話でしたね」
「ガソ―グダ? 聞いたことないです」
【着物の女の噂2】
(地元の40〜60代など)
「着物っぽい服の人に話しかけられました、オカルト的な話はないですか、って」
「小説家で、ネタを探しているらしいですよ」
「ホテル・やどりぎってところに幽霊が出るって聞いたそうなんです」
「ホテル・やどりぎね。ようやくホテルが建ったのに、大変だねえ」
「あそこ、長いこと空き地だったんだ。なんか地盤が悪いとか、そうじゃないとか…」
「…年寄は『よそ者が住んでた土地』とか言うね。イマドキすげえことを言うもんだよ」
「ガソ―グダ? あなたはそういうのを探してるんですか。あの着物の子は、幽霊を探してましたけど」
【神社のバイトの話】
「ここはずっと菅原道真公を祀っていますよ」
「改装の理由? さあ?その時景気良かったんじゃないですか? 今は全然ですけど」
「ガソ―グダ? 知りませんね。妖怪ウォッチですか?」
*オカルト的な話題を出すなら
「3日くらい前かな、同じようなことを聞く女の人がきました」
「小説家で、スランプで。すごく困ってるって言ってました」
「しかしその人ね。ハイキングコースも行くって言ってたんですけど。やめた方がいいみたいな顔色と服装でしたねえ。着物みたいなカーディガン着てて、長いスカートで。都会ならいいだろうけど、田舎の道には向かないなって思いました」
「記念だから、って、学業成就のおまもり買ってきました」
「ガソ―グダ? 世の中やおろずの神がおわすって言いますからねぇ。いるんじゃないですか?(知らない」
【寺の住職の話】
「ここの寺はね。真言宗の寺です」
「改装の理由? なんでしょうねえ、当時の資料など残ってはいませんし…、こういった、宗教に力をいれてくれるのはありがたいことですね。皇族の権威が増す時代に、珍しいといえばそうだったのかもしれません」
「ガソ―グダ? …ふむ、聞いたことがありません。寺の管轄といった名前の響きでは、ないですねェ」
*オカルト的な話題を出すなら
「昨日、似たようなことを聞く女の人がきました」
「小説家で、ネタを探しているらしくてね。オカルト的な話なら何でもいいと言っていたよ」
「髪はショートで、年は…20とか30とか? 徹夜続きらしくてねえ、真っ白い顔だったよ。気の毒に」
「こう、着物みたいなカーディガン羽織ってて。ロングスカート。別に街中歩くならともかく、この寺の周りは道も悪いから…スカート汚れますよといったんですが」
「この町にね、旅行者向けの貸衣装屋があるからさ。着物とか着たいなら、それを着て街中を散歩すればいいのにねえ。…いや、女性の服装にケチをつけるのは野暮だね」
【ガラス講師に話を聞く】
「ここ、なにもないところでしょう? だから少しでも盛り上げたいな、って。そうしてここを作ったんです」
「新しい雇用がないとサビれてくばっかりですからねえー。ホテルができてくれたのはありがたいです」
「なんか、私のおばあちゃんがいうには、あんまりいい土地じゃないらしいですけど。ほら、でも。汚い金でも寺は立つ、っていうか。汚い土地でもホテルは立ちますよ」
【慰霊碑近くのおばあちゃんの話】
「そこの慰霊碑にねえ、食べ物や花を供えるのはやめてくれないかい? 気持ちは嬉しいけどね、クマが来るよ」
「そこの事故はね。30年くらい前でね、可哀そうに…。台風が来る前にねえ、痛んでいるところを直そうって話だったらしいんだ。
けど、予定より早く雨がふって。撤収しようという時に、ねえ…。…人の運命などわからないね。少し立つ位置が違えば、助かっただろうに」
「ホテル・やどりぎの土地かい? ああ、確かに長く空き地だったよ。私の母親(故人。存命なら95)はねえ。あそこは汚らわしい土地だと言っていたね」
「よそから人が引っ越してきていたからね。そういうので嫌われてたらしいんだ。おかしい話だろう? けれど、そういう時代もあったのさ」
「和服の子? ああ、みたねえ、そんな恰好でこんなところを歩いていたら危ないよ、かわいいお洋服も汚れるよ、って…いったんだけどねえ。
大丈夫大丈夫で歩いて行ってしまったよ。大丈夫かね」
【探索者帰宅後・探索マップ】
・図書館
・人の集まるところ
・歓楽街
・HO1の自宅
・HO2の自宅
*S山町は「山のふもとの町」で「ホテル・やどりぎ」は山のふもとに立っているホテルだ。
つまり暗がりは豊富。頑張れHO2.君の人権を守れるのは割と暗がりだけである。と伝えてほしい。
お土産屋
このあたりの名物や、よくわからない木彫りの人形が売っている。
別に怪しいものはない。お土産屋さんによくあるタイプ。
名産品は大学芋とスイートポテト。どっちもお芋。
郷土館
お土産屋さんの隣に併設されている。大きな場所ではない。
古くからこのあたりが農業を行っていたこと、貧しい村であったことが軽く触れられている。サツマイモはやせた土地でもよく育つので、なじみのある食材だったようだ。
30年ほど前に、この町の近くのトンネルで事故があり、作業員が2名ほど亡くなったことにも触れられている。
痛ましい事故として、慰霊碑がトンネル脇にあるそうだ。(郷土館から車で15分ほどだ)
神社
ハイキングコースの入り口辺りに、小さな神社がある。
菅原道真を信仰しているらしい、ごくごく普通の神社。学問成就を祈れる。
おかしな点は見られない。
歴史が書かれた看板を見ると、室町時代に作られたらしい。
そして、大正に改装工事があったと書いてある。
*寺を見た後のアイデア…神社の改装工事があった一年後に、寺を改装している。
ハイキングコースに関しては、そこそこ整備されていて歩きやすい。適度に木もおいしげってるので、HO2トラブル表をふっても大丈夫なエリア。
<神社のアルバイトに話を聞く>ハイキングコースの通行人から<着物の女の噂>を聞くことができる。
寺
ごくごく普通の寺。真言宗。空海を祭っている。
おかしな点は見られない。
歴史が書かれた看板を見ると、安土桃山時代に作られたらしい。
そして、大正に改装工事があったと書いてある。
*神社を見た後のアイデア…神社の改装工事があった一年後に、寺を改装している。
<寺の住職に話を聞く>通行人から<着物の女の噂>を聞くことができる。
KP向け補足
神社・寺の改装時期が同じなのは「ガソーグダ信仰があった事実」を打ち消す最後の仕上げ。
元々ガソーグダを信仰していたのは村の2割といったところ。黙認していた村人もいるが。ガソーグダ信者たちが捉えられ、迫害された後は、そこで怒った不名誉を消そうと、村人が金を集めていた。
そのための資金が集まったのがその時期だった。
ガラス工房体験
キレイなガラス製品が並んだ工房の脇で、コップづくりを体験できる。
DEX*5でキレイなコップができる。たのしい。
講師の女性が超美人。たのしい。
<ガラス講師に話を聞く>通行人から<着物の女の噂2>に話を聞くことができる。
講師は地元の人間だが、情報量は通行人と大差ない。
地元の人間なので「ホテル・やどりきの土地は、ずっと空き地だった」と教えてはくれる。
ちなみにガラス工房ができたのは最近。すたれ行く地元のために工房を持ってきた。ネットとかですごく宣伝してる。地元を愛する美人講師である。
歓楽街
飲み屋やキャバクラ、ラブホなどの並ぶエリアだ。
昼間はあまり空いている店がない。昔懐かしのタバコ屋がある。
<通行人に話を聞く>ことができる。
酔っ払いにHO2が絡まれてセクハラでもされると楽しいと思う。
歓楽街なのでいつトラブル表が火を噴いても安心。都合のよい暗がりがいっぱいある。
その他観光っぽいもの
言ってくれたら、生える。KPは頑張ってほしい。
<着物の女の噂>を一つでも入手し、夜に<ホテル・やどりぎ>周辺を歩くと宣言するなら、<山下上子>と出会うことになる。
まるで都市伝説っぽくさ迷う、可哀そうな小説家だ。
しかし探索者に出会った時、脱稿している。テンションが高い。明るい。
とってもほがらかに探索者たちの話を聞いてくれる。
「このあたりでオカルトの噂? はい、はい。聞いて回りました。小説の参考にしたかったんです」
「いやね、最近ぜんっぜん寝れてなくて! あやしかったかもしれませんね! でも誰も通報しない。いいところですね、ここ」
「ホテル・やどりぎの噂? ネットで見たんですよ、幽霊がでるー、って。出るかと思って泊ったけどダメで…悔しいから色々聞いて回ったんですよ」
「オカルト的な体験? したことないです、してみたいですね」
「なんでこんな格好してるか? 趣味ですよ。本当は着流しとかで歩きたいですね。…しかし、このスカートは失敗でした。忠告してくれた人たくさんいたんですよ…。聞いておくべきでしたね」
探索者がオカルト的な話をする
「まあ。そんなこともあるんですね。ああ、私も面白いものを持ってます、見ますか?」
「幽霊を閉じ込める箱、らしいですよ。それでこれが説明書だと言っていました。ここから少し離れた、T川町のお坊さんが」
彼女が手のひらの上にのせて見せてくれたのは、黒い箱だ。
否、よく見ればそれは「黒い箱」ではない。
梵字がびっしりと描かれた木箱。あまりに文字が書かれているから黒く見える、そんな箱だ。(内容を読みとくのは1週間かかる。「死せる魂の安らかな眠り」を祈る文言である)
「これをもって念じると、悪霊から助けてもらえるとか。眉唾ですけど。欲しいなら上げますよ? こういう趣味、同好の士には中々会えませんし。記念にね」
探索者が幽霊を見たという
「まあ。そんなこともあるんですね。本当に困ってる人たちの前で、なんだかごめんなさい。
でも、それでしたら…私も面白いものを持ってます、見ますか?」
「幽霊を閉じ込める箱、らしいですよ。それでこれが説明書だと言っていました。ここから少し離れた、T川町のお坊さんが」
彼女が手のひらの上にのせて見せてくれたのは、黒い箱だ。
否、よく見ればそれは「黒い箱」ではない。
梵字がびっしりと描かれた木箱。あまりに文字が書かれているから黒く見える、そんな箱だ。(内容を読みとくのは1週間かかる。「死せる魂の安らかな眠り」を祈る文言である)
「これをもって念じると、悪霊から助けてもらえるとか。眉唾ですけど。欲しいなら上げますよ? こういう趣味、同好の士には中々会えませんし。記念にね」
【幽体をひきはがすおまじない】
このおまじないを試すときは
憑りつかれた人と手をつないでください
そうして呪文を唱えましょう
(数ページにわたり。呪文が書いてある)
呪文をとなえながら。魂を捕まえたいと念じましょう
この呪文を唱えると、憑りついている魂を見つけることができます
見つけた魂は、この箱にいれてしまいましょう
この箱は万能の存在です
さまよえる魂をとらえて、癒してくれます
【幽体を箱に閉じ込める(オリジナル呪文)*ベース:夢見る人の罠(291p)+魂の監禁(P271)】
【コスト】
18MP(分担可能)正気度ポイント3(分担不可)
【手順】
1・分担可能な10MPを提出し、対象のPOWと対抗(この本を見ていれば合算可能)
2・成功したらさらに8MPを提出し、成功率70%で1d100をふる(この本を見ていれば合算可能)
3・以降、1MPを提出ごとに「成功率5%」増。
本来は魂をとらえる対象とPOW対抗が入るが、このシナリオでは成功率70%の呪文として扱う。
もしも2人のMPが18に満たない場合、箱に足りないMPが入っていたことにしても良い。
オリジナル呪文にしてはコストが重いのは、「1日に一度だけ挑戦してほしい」というシナリオ作者からの下心なので、諸々改変可能。
山下上子は神話的な経験も知識もない、単なるオカルトマニアだ。
S山町であれこれ聞いて回っている時は、徹夜が続いてちょっと不気味な有様になっているが。善良でもある。実はお嬢様なので気前もいい。
探索者が常識的に頼むのであれば、常識的な範囲内なら聞いてくれる。
ちなみに彼女の知名度は<1d100で30%>くらい。マイナー。著書は「ドキ!アイツが俺で私がお前!」とかいうタイトルでドログチャバイオレンスなホラーとかいう、そういうワケのわからないものを書いている。
夢パートはどんどん改変してほしい。
流れは以下の通り。
1度目…性的調教。
HO1:POW*1で我に返る…意に反して行動していたことへのショック(我に返った正気度喪失:1d6)
HO2:親しい相手の変貌・異常な状況への抵抗感・正気度喪失:1d3
2度目…性的調教。
HO1:POW*2で我に返る…意に反して行動していたことへのショック(我に返った正気度喪失:1d6)*慣れルール
HO2:親しい相手の変貌・異常な状況への抵抗感・正気度喪失:1d3*2度目なので慣れルール
3度目…おかしなものを食べさせる。
HO1:POW*3で我に返る…意に反して拷問を行ったことへのチェック(我に返った正気度喪失:1d10)
HO2:親しい相手の変貌・拷問への衝撃・正気度喪失:1d10
4度目…窒息させる。
HO1:POW*4で我に返る…意に反して拷問を行ったことへのチェック(我に返った正気度喪失:1d10)*2度目なので慣れルール
HO2:親しい相手の変貌・拷問への衝撃・正気度喪失:1d10*2度目なので慣れルール
5度目…四肢切断・殺害
HO1:POW*5で我に返る…意に反して拷問を行ったことへのチェック(我に返った正気度喪失:1d10)*3度目なので慣れルール
HO2:親しい相手の変貌・拷問への衝撃・正気度喪失:1d10*3度目なので慣れルール
ロールの方針・HOごとの状況
亡霊は「自分の形を忘れたうらみつらみの集合体」だ。だからこそ、HO1の体(夢なので精神体)を奪っている。
夢の中でHO1は「亡霊たちの声をきき、その恨みつらみにあてられて昏迷を起こしている」ような状態。
亡霊たちが望む行動だけをとる。POW×に成功すると我に返る。我に返ってもできることはさほどない。HO2をそれ以上いたぶることはないので、そこは良いことだが。
HO1の性格・行動方針は無視される。のだが。もしもHO1が「主人」としてふるまうことに喜びを感じるタイプ(無自覚・自覚ありは不問)ならちょっと楽しんでしまうのかもしれない。
心理学・精神分析をふるなら、成功でHO1の状態は「用意された台詞をなぞっている」と分かる。
それに喜びを感じるかどうかは、HO1の性格次第。この「主人役」に苦痛・戸惑いを感じないのであれば、仮面のように無表情。たまに笑う。亡霊が笑っていたときは笑う。
喜びを感じるならちょっと充てられてしまう。ご満悦。というか、そのあたりはHO1のPL任意だ。
なお、亡霊は明治を生きた者たちだが、HO1の体を借りているため、口調・語彙はHO1に準ずる。だって地味に大変なので。時代物の台詞回しは。
HO1が我に返るキーワードは基本的に「HO2に名前(苗字でも)を呼ばれる」こと。それかKP任意のタイミング。
HO2に関しては思考は正常。体がおかしな状態になるのは「夢を作り出している亡霊たちに付与されたスキル」亡霊たちは本人の望みに関わらず「カソーグダの信者」として死んだため、おかしなスキルが生えてしまっている。
HO2はHO1に抵抗できる。が、体が異常に敏感だし基本的に縛られてるので苦労する。頑張ってほしい。頑張らなくても夢は終わる。
HO1の後ろに見える影
各夢の終わりにHO1の背後に見える「影」は夢の始まりにHO1に声を聴かせている人物の「死亡時の姿」だ。死因は現れていないが。
意識がまじりあっているが、その夢で一番強く出ている意識が影になって見える。
1度目:HO1の後ろに、黒い着物を着た12歳程度の少年の影が見えた
2度目:手袋をはめた13歳程度の少年の影が見えた
3度目:白い着物を着た15歳程度の少年の影が見えた
4度目:HO1の後ろに、半裸で震える16歳程度の少女の影が見えた。
5度目:紫の袈裟を羽織った、18歳程度の少年の影が見えた。
朝にHO2が異変に襲われるタイミングでも同じような影が見える。
こちらはランダムなので上記の誰かを描写してほしい。
HO1のみ
「私は主人、奴隷の主人」
「奴隷をいたぶるのが仕事。神様好みに凌辱するのが仕事」
「従わなければ殺される」
「従えばいつか、帰れるの」
幼い子供の声には、あふれんばかりの恐怖がある。
圧倒的な恐怖に、あなたの意識は多い隠された。
探索者たちは目をあける。
目をあけるとそこは、無機質な木の壁がある。
じっとりと湿った空気が肌を伝う。
窓はなく、ロウソクの明かりだけがゆらめいている。
HO1側描写
あなたは黒い着物を着ている。
粗末な着物の上から袈裟のようなものをかぶり、どこか宗教めいた格好をしている。
「お前は主人、奴隷を作る」
また声が聞こえる。
「目の前のソレはお前の奴隷」
「それで契約は結ばれる」
「それでお前の役目が決まる」
「誓わせろ、言葉にして」
目の前の相手はHO2だ。
手足を拘束され、藁が敷かれた地べたに転がっている。
奴隷ではなく、見知った相手。そもそも自分はなぜこんなところで、こんなことを。
普段の自分ならば浮かぶはずの言葉が、うまく浮かんでこない。
あなたの舌は、自動的に言葉を紡ぐ。
目の前の奴隷に対する、服従を求める言葉を。
*ロールをどうぞ。
HO2側描写
あなたは一糸まとわぬ姿で、藁が敷かれた地べたに転がっている。
手足は戒められ、立つことができない。
目の前には、どこか宗教めいた格好をしたHO1.
その服装も、表情も、おおよそ本人のものとは思えない。
その上、その口から洩れるのは『隷属』を求める言葉。
ここまでくれば思うだろう。これは単なる夢だ。と。
けれど、頭のどこかで警報が鳴り響く。これに頷いてはいけないと。
夢ではないとわかりながらも、あなたには抗う力がなかった。
声が、聞こえる。幼い声だ。
「はいと言わなければ、殺される」
共通
HO1は言う。お前は奴隷、服従しろと。
HO2の口は勝手に動く、お前は主人、それでよいと。
自発的にか、無理やりか。
HO2がHO1の足の甲へと口づけた時、再び声がする。
「お前は主人、奴隷を作る」
「お前は奴隷、主人のもの」
「お前たちは……」
あざけるような声を聴きながら、あなたたちの意識は反転した。
あなたたちが意識を取り戻すと、同じ場所にいる。
ただ、落ち着いてみればそこが牢獄のような場所だと分かる。
据えたような、血なまぐさいようなにおいのする場所だ。
とはいえ、落ち着いて、意識が明瞭なのはHO2のみだ。
HO1側の描写
HO1はじっとHO2を見ている。
口には布が詰められ、手は梁に吊るされ、膝立を強制されているHO2を。
身動きができないHO2に、HO1が違和感を感じることはない。
一切の自由がない姿は、当然なのだ。
これは自分が躾なけなければいけない奴隷だ。
そうしないと、生存が許されない。役割を果たさなければいけない、お互いに。
まずは、そう。
体の準備をしなければ。
HO1の手元には、瓶がある。
相手の性感を高める薬だ。ぬってあげなければならない。
あなたは知っている。
薬は貴重だ、無駄にしてはいけない。
まずは胸におとそう。
そうして、筆でゆっくりと広げていく。
顔に、首筋に、へそに、腰に、シリに、足に、指の間まで丁寧に。
手の五本まで十分に。
性器にはいらない。この刺激だけで十分だ。
ちらりと目線を送ると、体液をたらす性器が目に入る。
これをどうするのかは、己の采配だ。
そろそろ口くらいはきかせてやってもいいだろう。
POW×1に成功で我に返る
→成功
自由にロールできる。
ただし、自分がやったことに対してひどく心がゆさぶられる。
どこか現実味がなくとも、自分は目の前の相手に非人道的なことをしたのだ、と。
意に反して体を動かした正気度喪失:0/1D6】
牢屋から出ることはできないようだ。
そして、牢の隅にハサミが落ちていることに気づく。
大きな、縄を切ることができそうなハサミだ。
しかし、鉄格子は破壊することも、間からでることもできなそうだ。
HO2は縛られたままで、HO1はおかしな格好のままだ。
しかし、双方正気で、言葉を交わすことができる。
ハサミで戒めを解いてやることくらいはできそうだ。
ハサミには血液がこびりつき、なににつかったのかは考えたくないが。
→失敗
このまま性的に辱めることになる。方法はある程度HO1の性格に合わせてもいいし、合わせなくてもいい。
ただ羞恥プレイ方面だし、基本的にHO2の人権なにそれ美味しいの状態。
HO2寄りの描写
口には布が詰められ、手は梁に吊るされ、膝立を強制されているHO2にできることは、視線をさ迷わせることくらいだ。
あなたをじっと見るHO1の手元には瓶がある。
どろりとした質感の、黒い液体だ。
もう片方の手には、筆がある。
黒い液体でじっとりと濡れた、絵をかくような筆。
とはいえここにキャンパスはない。
絵具には見えない得体の知れない液体は、あなたの胸元に落とされる。
顔に、首筋に、へそに、腰に、シリに、足に、指の間まで丁寧に。
手の五本まで十分に。
筆で広げられていく度、肌がおかしな具合にうずく。頭がゆだるような感覚がある。
一切触れられていない性器が熱く、どろどろと体液を垂らす。
HO1が笑う。
その顔を貴方が見たことがあるか、ないかは分からない。
あなたのことを同様の権利を持つものだとは思っていない、冷たい顔だ。
【相手と異常な状態への正気度喪失:0/1D3】
このあたりの描写は人によって色々と変わりそうなので頑張ってほしい。
必ず必要なイベントは存在しない。PLのやりたいことを優先しつつ、ここが拷問の場だったという描写をしてほしい。
HO1が2をなぶる・あるいは真っ当に会話をしてしばらく。
HO1が気づくと、手のひらに鍵がある。
そのカギに二人が気づいた時、その意識は反転した。
ただ、HO2は見る。
HO1の後ろに、黒い着物を着た12歳程度の少年の影が見えた。
廊下
あなたたちが気づくと、廊下を歩いている。
どうやら先ほどの牢屋は出たようだ。
長い廊下には、同じような牢屋が残り2個あった。
そこに人影はないようだ。
(ただし、そのことに気づけるのはHO2のみ。HO1は亡霊たちにコントロールされている)
牢を出たHO1の裸足の足に板張りのつめたさがしみる。
裸のHO2はもっとだろう。
目星
ここはどこか、古い日本家屋のような場所だ。
廊下は長い。
聞き耳
牢屋に漂っていた据えた臭いはしない
ただ、得体の知れない香の匂いがする。
長い廊下を渡っていくと、扉がある。
木製の引き戸で、内装に関して洋風の文様が刻まれているように見える。
あるいは、なにか魔術的な装飾がしてあるように見える。
二人が扉を開ければ、そこは大きな檻だった。
檻の外には、袈裟のようなものを着た人間がいる。
HO1が着ているものより、豪奢だ。
とはいえ、HO2にしてみれば、それはどうでもよいことだったかもしれない。
探索者たちに声をかけた人間は、檻のすぐそばで笑っている。
その人間の背後、檻を見る人間たちの様子はおかしかった。
探索者達を見ている者もいる、けれど、大部分は性行為にふけっている。
相手をとりかえ、体液を散らし、ブツブツと何かを言いながら没頭している。
異常な状態に、正気を保っている探索者は背筋が寒くなる。
【冒涜的な性行為の目撃への正気度喪失:0/1D2】
聞き耳
異常な状況ながらも周囲の声を拾うことができる。
乱交に及ぶ袈裟姿達は、喘ぎ声をあげていない。
何か祈りのような文言を唱えている。
いあいあ、という文言にまじり、カソーグダと混じる。
なにかを請うような響きがある気がする
「さあ、成果をみせなさい。163番」
信者たちの行為を眺めながら、袈裟姿は言う。
よくよくみれば、この場で最も上等な袈裟を着ているような気もする。
成果、という言葉を受けて、HO1がHO2を見つめる。
その口がゆっくりと開く。
「そう。成果。
だから、お前。
皆様にキチンとお見せして。お前の体が出来上がり、奉公できるものなのだと」
身も蓋もなく言えばHO2が自慰して見せてというアレです。
描写とロール頑張ってください。
探索者たちの姿を見ながら、豪奢な袈裟姿は言う。
「まずは、初日」
「我らに尽くせ」
「我らが神を呼べ」
「神はお前たちも救ってやるだろうさ」
→目覚め
あたりを見回せば、やはり牢獄のような場所だ。
最初の夢と同じ場所に思える。
HO1側描写例
声がする。昨日きいた声とは違う。少年の声。
「私は主人、奴隷の主人」
「奴隷をいたぶるのが仕事。神様好みに凌辱するのが仕事」
「従わなければ殺される」
「役目を捨てても、助からない」
幼い子供の声には、あふれんばかりの恐怖がある。
圧倒的な恐怖に、あなたの意識は多い隠された。
意識を取り戻したあなたの目の前には、HO1が吊るされている。
膝立ちを強制されていて、あれではうまく身動きができないだろう。
当たり前だ。コレは奴隷。
自分は主人だ、躾をしなければいけない。
手元には張形がある。
恐れ多くもべっ甲細工、しかもあたためてやった。
ああ、なんて慈悲深いのだろうか。たかが奴隷に。あなたの<主人>は。
その期待にこたえなければいけない。
それだけが、あなたの仕事である。
HO2側描写例
あなたの意識が覚醒した時、やはり梁からつるされている。
膝立ちを強制されているし、うまく身動きができない。
違う。
上手く身動きができない理由は、縛られているだけではない。
体中が熱く、うまく力が入らない。
もっとも熱いのは、肛門だ。
張形が入れられ、無理やりに広げられている。
あなたの経験に関わらず、その感覚が異常に心地よい。
全身が弛緩し、うまく息ができない。
張形がわずかに奥に入る。
同時に、背後から声がした。
「まだ終わらないのだから、騒ぐな」
「だって、全部使えるようにしなきゃ。怒られてしまう、殺されてしまう。嫌だろう?」
「お前は奴隷で、私は主人。だから、きちんと用意してあげないと」
声はHO1のものだ。
ならば、張形を押し込んでいるのもHO1だろう。
なにか、革めいた手袋をはめた手が太ももをさする。
それだけのことが、理不尽に心地よい。性感を煽る。
【親しい相手の変貌・異常な状況への抵抗感・正気度喪失:1d3】*2度目なので慣れルール
*以後、HO1は2に「KPが望むタイミング」か「HO2に名前を呼ばれた時」にPOW*2で「正気に返るか」が判定できる。
正気に返れば【意に反して体を動かした正気度喪失:0/1D6】(慣れルール適用)が入る。
以後、そのまま目覚めてもいいし、適当なタイミングで正気を失ってもいい。どのように目覚めるかはKP裁量。
HO2が意識を失う、その一瞬。
HO1の後ろに、手袋をはめた13歳程度の少年の影が見えた。
→目覚め
あたりを見回せば、やはり牢獄のような場所だ。
最初の夢と同じ場所に思える。
HO1側
声がする。昨日きいた声とは違う。少年の声。
「私は主人、奴隷の主人」
「奴隷をいたぶるのが仕事。神様好みに凌辱するのが仕事」
「従わなければ殺される」
「従えば帰れる。帰れる。俺だけは。こいつらとは違うのだから」
幼い子供の声には、あふれんばかりの恐怖がある。
圧倒的な恐怖に、あなたの意識は覆い隠された。
あなたが意識が覚醒した時、目の前にはHO2がいる。
手は背中に回されて拘束されている。首にも首輪よろしく縄が回され、HO1はその先端を持っている。リードのように。
椅子にこしかけ、全裸で正座をさせたHO2の膝を踏んでいる。
そうだ、今は、エサの時間だ。
HO2側
あなたが意識が覚醒した時、手は背中に回されて拘束されている。首にも首輪よろしく縄が回され、その先端をリードのように持つHO1がいる。
椅子に腰かけたHO1は笑っている。
正座のあなたの膝を踏み、立ち上がるのを邪魔しつつ。
今回も全裸な自分に対し、HO1は袈裟と着物姿だ。よくよくみれば、着物が1度目の夢より良いものになっているような気もする。
今回も、藁がしかれた地べたに正座をさせられ、目の前には皿がある。
皿にはゴミと半透明な液体が入っている。
誰かの残飯と、精液だと分かるものが入っている。
「食べないのか? せっかく用意してやったのに」
「今日、他に食べるものは出てこない」
「食べないか?」
「食べろ」
言葉とともに、性器が踏まれる。
痛みを感じるはずの行為が、理不尽に快楽に変換される。
「このままこの粗末なモノをつぶされるのと、食べるの。どっちがいい?」
【親しい相手の変貌・拷問への衝撃・正気度喪失:1d101】*慣れルール適用
*以後、HO1は2に「KPが望むタイミング」か「HO2に名前を呼ばれた時」にPOW*3で「正気に返るか」が判定できる。
正気に返れば【意に反して拷問を行ったことへのチェック(我に返った正気度喪失:1d10)】が入る。
以後、そのまま目覚めてもいいし、適当なタイミングで正気を失ってもいい。どのように目覚めるかはKP裁量。
*もし食べきったなら
「食べたか、よくできたな」
「よい子だから、水を飲もうか?」
言葉とともに、水桶から水をすくう。どうやら、椅子の後ろにあったようだ。
ひしゃくでひとすくいしたHO1は、自らの口に含む。
縄を引き、HO2を引き寄せ、口移しで水を移す。
おそらくは、ためっぱなしの雨水かなにか。泥か砂利がまじったような味が、HO2の喉を伝っていく。
視界の端に、一瞬。
HO1の後ろに、白い着物を着た15歳程度の少年の影が見えた。
そうして、目が覚めた。
→目覚め
あたりを見回せば、やはり牢獄のような場所だ。
最初の夢と同じ場所に思える。
ただ、すえた匂いがキツくなっている気がする。どこからだろう?
HO1側
声がする。昨日きいた声とは違う。少女の声。
「私は主人、奴隷の主人」
「奴隷をいたぶるのが仕事。神様好みに凌辱するのが仕事」
「従わなければ殺される」
「だから従わなきゃ」
「もうぶたれたくない」
「もう犯されたくない」
「お家に、帰して」
幼い子供の声には、あふれんばかりの恐怖がある。
圧倒的な恐怖に、あなたの意識は覆い隠された。
HO1、あなたの意識が戻った時、その手は水につかっている。
水に誰かを、HO2を沈めている。
酸素を求めあえぐ体を押さえているうちに、抵抗が弱くなる。
これではだめだ。今はだめだ。この奴隷を殺すのはあなたの仕事ではない。
髪をつかんでひきあげれば、苦しげな息づかいが聞こえる。
抵抗がある限り、あなたが手を止めることは許されていない。
もっと、もっと、相手が呼吸する権利を握りたい。握らなければならない。
ああ、けれど、相手がなにか、気が利いたことを言うならば、手をゆるめてやってもいい。
―――本当に?
*以後、HO1は2に「KPが望むタイミング」か「HO2に名前を呼ばれた時」にPOW*4で「正気に返るか」が判定できる。
正気に返れば。 意に反して拷問を行ったことへのチェック(我に返った正気度喪失:1d10)(慣れルール適用)が入る。
以後、そのまま目覚めてもいいし、適当なタイミングで正気を失ってもいい。どのように目覚めるかはKP裁量。
HO2側
あなたが意識が覚醒した時、首に手の平がかかるのが分かった。
抵抗する暇もなく、ばしゃりと水に付けられる。
今回も手は後ろに縛られて、上から体重をかけられて、うまく抵抗できない。
あなたの体がわずかに弛緩する。
酸素不足で気が遠くなっていく。
【親しい相手の変貌・拷問への衝撃・正気度喪失:1d10*2度目なので慣れルール】
その時に、引き上げられた。
水の代わりに、背中が地面にたたきつけられる。腕はその下敷きになったらしい。
あなたに馬乗りになっているのはHO1だ。
「気分はどう?」
あなたにまたがるHO1の胸元が、ちらりと見える。<目星>がふれる。
目星成功
粗末な着物から除く胸元には、切り傷がある。
一度それに気づけば、分かる。
あなたをさいなむ腕は、縄でしばりあげられたような跡がある。
ちらりと見える足元には、ヤケドの跡が。
HO1の体に、そんな傷がない。
これは、この牢屋に閉じ込められ、主人を押し付けられた人間の記憶。
主人を命じられ、時にさいなまれていた人間の記憶なのだ。
ここでHO1に向け「その傷はなんだ」「お前も信者に暴力を受けているのか」「助からないと分かっているのだろう」など口にすると、HO1は錯乱する。
その口から洩れる言葉は「死亡した亡霊たちの声」だ。「どんどん牢屋に帰ってこない子供が増える」「逆らっても意味がない」「それでも従わなければ殺される」「こんなことしたくなかった」「こうなって楽しくて仕方ない」
そんな類の、どうしよもない本音だ。暴力は激しくなる。
目星失敗
胸元に何かが見えた気がするが、咳き込んだあなたにはよく見えない。
時に水に押しつけられ、時に首をしめられ。HO1はHO2の命をもてあそぶ。
HO2の気が遠くなる、その時。
視界の端に、一瞬。
HO1の後ろに、半裸で震える16歳程度の少女の影が見えた。
→目覚め
今回もやはり牢獄の中にいる。
HO1はその手に鉈を持っている。
サビついて、刃こぼれを起こし、あまりよく切れそうには見えない。
HO1側
声がする。昨日きいた声とは違う。少年の声。
「私は主人、奴隷の主人」
「奴隷をいたぶるのが仕事。神様好みに凌辱するのが仕事」
「従わなければ殺される」
「従えば帰れる。帰れる。帰れる」
「かみさまなんていないのにどうしてそう信じられたのか」
「ああ、それでも」
「僕は目の前のコレとは違う」
幼い子供の声には、あふれんばかりの恐怖がある。
圧倒的な恐怖に、あなたの意識は覆い隠された。
あなたは手に持った鉈をふるう。
目の前には、HO2がいる。
足がおかしな方向に曲がったHO2は、逃げることもできない。
地面をはいずるその体に、勢いをつけて鉈をふるった。
HO2側
HO2は意識を取り戻す。けれどうまく動けない。
今回、どこも戒められていないHO2は、それでもうまく動けない。足がおかしな方向に曲がっているのが見える。痛みは鈍い。
ただ、肩の辺りが熱い。
HO1は鉈を握っている。サビついた鉈だ。
サビついた理由は、血が付いたせいだ。
血がついている理由は、あなたの左腕が切り落とされているせいだ。
腕が切り落とされた肩からは、蒸気が出ていた。
切り落とされた後に、焼かれたのだ。
そして今、右腕が狙われている。
もはや切れ味は期待できそうにない刃が、右腕を叩き折ろうとしている。
【ひどい拷問へのの正気度喪失:0/1D10*慣れルール適用】
*以後、HO1は2に「KPが望むタイミング」か「HO2に名前を呼ばれた時」にPOW*5で「正気に返るか」が判定できる。
正気に返れば【意に反して拷問を行ったことへのチェック(我に返った正気度喪失:1d10)】(慣れルール適用)が入る。
以後、そのまま目覚めてもいいし、適当なタイミングで正気を失ってもいい。どのように目覚めるかはKP裁量。
今回の場合、数ラウンド後に大量出血で死亡するHO2を見ることになるが。 【親しい相手を殺害したことへの正気度喪失:0/1D10】
HO1が見下ろす先で、HO2の意識はどんどん遠くなる。
痛みは既に感じない。たまらない寒さを感じながら、瞼が落ちていく。
意識を失う、その一瞬。
HO1の後ろに、紫の袈裟を羽織った、18歳程度の少年の影が見えた。
→目覚め
1日目のみの描写
あなた達がホテル・やどりぎを一歩出た、その瞬間だ。
HO2の体に異変が起こる。
耳元、否、頭の中で声がする。
「ここを出るのはダメなこと」
「ダメなことは、お仕置きされる」
声がいくつか重なったような、奇妙な声だった。
その声は何なのかを考えるよりも早く、膝がくだけるような感覚に襲われる。
息をするだけで体が熱い。
空気に触れる口が、喉が。服と肌がこすれるだけでも。
ぞっとするような快楽に襲われ、体から力が抜ける。
異常な状態への正気度喪失:0/1D2*慣れルール適用なのでメモしておいてください
2日目以降の描写
HO2が朝起きた部屋から出ようと考えた、その瞬間。
HO2の体に異変が起こる。
耳元、否、頭の中で声がする。
「まだでるの? ダメなのに」
「ダメなことは、お仕置きされる」
声がいくつか重なったような、奇妙な声だった。
その声は何なのかを考えるよりも早く、膝がくだけるような感覚に襲われる。
息をするだけで体が熱い。
空気に触れる口が、喉が。服と肌がこすれるだけでも。
ぞっとするような快楽に襲われ、体から力が抜ける。
異常な状態への正気度喪失:0/1D2*慣れルール適用なのでメモしておいてください
HO2の状態まとめ
・性的欲求が高まり過ぎて、うまく頭が使えない(能力値×任意以外の全ての技能値-10)
・どこを触られても性的興奮を感じる。
・「頭に浮かんだ欲望」を満たし、一度絶頂すれば上記のマイナスは消える。
・「頭に浮かんだ欲望」は多少頭に残るし、多少(性的に)落ち着かないが、行動に差し支えはない。処理的にはファンブルださなきゃなんのマイナスも入らない。
<この意味不明な欲望に抵抗したい:POW*5(あるいは任意)に成功する>
<絶頂するかしないか:CON*5(あるいは任意)に成功する>
頭に浮かんだ欲望については<HO2トラブル表>参照。
1:脚への執着
今のこのどうしよもない興奮を脚を使ってどうにかしたい。
HO1に脚を使って攻めてもらうのでも、あなたがHO1の足に何かするのでもどちらでも構わない。
あるいは、あなたが自分の足に性的になにかしてほしいのかもしれない。
頼んでもいいし、有無言わせずでもいい。HO2次第。
2:胸部への執着
今のこのどうしよもない興奮を乳房とか乳首とかを使ってどうにかしたい。
HO1に胸を使って攻めてもらうのでも、あなたがHO1の胸に何かするのでも、どちらでも構わない。
あるいは、あなたが自分の胸に性的になにかしてほしいのかもしれない。
頼んでもいいし、有無言わせずでもいい。HO2次第。
3:臀部への執着
今のこのどうしよもない興奮を尻を使ってどうにかしたい。
HO1に尻を使って攻めてもらうのでも、あなたがHO1の尻に何かするのでもどちらでも構わない。
あるいは、あなたが自分の尻に性的になにかしてほしいのかもしれない。
頼んでもいいし、有無言わせずでもいいHO2次第。
4:体液への執着
今のこのどうしよもない興奮は相手の体液を摂取すればどうにかなる気がする(錯乱)
唾液でも汗でも血液でも涙でも鼻水でも尿でも精液でも愛液でもすべて体液。HO2次第。
頼んでもいいし、有無言わせずでもいい。HO2次第。
1:ナレートフィリア・コプロラリア。実況したい
今のこのどうしよもない興奮を、誰かに言葉で伝えたい。
ぼかしてもいいし、猥褻な言葉にしてもいい。
ただ誰かに聞いてほしい。それが今、快楽に直結している。
しばらくそうしていれば、欲求は収まる。
2:エキシビショニズム。露出したい
今のこのどうしよもなく興奮した体を見てほしい。
人目のないところで、人目のあるところでもいい。
ただ誰かに見てほしい。それが今、快楽に直結している。
しばらくそうしていれば、欲求は収まる。
3:サドマゾヒズム。拘束されたい・したい
今このどうしよもなく興奮した体を縛ってほしい。これ以上乱れないように。
違う、このどうしよもない興奮を鎮めるために、相手の自由を奪ってしまいたい。
正反対の欲求が、奇妙に均衡する(どちらを選ぶかはHO2任意)
人目のないところで、人目のあるところでもいい。
自由を奪われた・奪った状態で一度絶頂すればある程度収まる。
4:サドマゾヒズム。罵られたい・したい
今このどうしよもなく興奮した体を詰ってほしい。これ以上乱れないように。
違う、このどうしよもない興奮を鎮めるために、相手を詰ってしまいたい。
正反対の欲求が、奇妙に均衡する(どちらを選ぶかはHO2任意)
人目のないところで、人目のあるところでもいい。
言葉責めされるか、するかで一度絶頂すればある程度収まる。
1:性的興奮の高まり。相手に性的なことをしてほしい
本番でも前座でもなんでもいい。なんでもいいから相手に主導権を握ってほしい。
一度絶頂すればある程度収まる。
2:性的興奮の高まり。相手に性的に奉仕したい
本番でも前座でもなんでもいい。なんでもいいから相手を乱れさせたい。主導権も欲しい。
一度絶頂すればある程度収まる。
3:アブノーマルプレイ。どちらが攻めかはHO2任意。
口・肛門などの性器以外の場所で行為がしたい。
HO2が攻めをしたいのか、受けに回りたいのかはHO2任意。
フェラだったりアナルだったりクンニだったり逆アナルだったり、性器を使わない性行為すべてが欲求の対象だ。別に手でも足でもいい。
一度絶頂すればある程度収まる。
4:ヒューマン・アニマル・ロールプレイ。家畜のように扱われたい、扱いたい。どちらが攻めかはHO2任意。
犬・猫・馬・・牛・鳥その他家畜呼ばわりされたいのかもしれないし、そのように扱いたいのかもしれない。
このプレイを主導するものが、相手をに二本足で歩かせることはないし、服を着せないし、見せびらかしたいし、管理したい。
必ずしも性行為を伴う必要はない。この欲求の本質は相手を家畜として扱うことだ。
管理の必要な愛玩動物として扱うことに、異常な興奮を覚える。
一度絶頂すればある程度収まる。
5:ポゼッションプレイ。家具のように扱われたい、扱いたい。どちらが攻めかはHO2任意。
人間便器・人間椅子・人間ベッド・人間蝋燭・人間花瓶など。
必ずしも性行為を伴う必要はない。この欲求の本質は相手をモノとして扱うことだ。
モノとして扱うこと・扱われることに、異常な興奮を覚える。
一度絶頂すればある程度収まる。
6:暴力行為。道具でも素手でもどちらでも。どちらが暴力をふるう側かはHO2任意。
殴る・蹴る・切る・焼く・強姦など。
必ずしも性行為を伴う必要はない。この欲求の本質は相手が苦しむ姿が性的興奮につながることだ。
暴力をふるうこと・振るわれることに、異常な興奮を覚える。
一度絶頂すればある程度収まる。
EDが分岐する条件は「幽体をひきはがすおまじない」に成功するか、しないかのどちらかだ。
5日目までに呪文が成功すればED1・呪文を成功できなければED2になる。
ちなみに。
もしも探索者が「ホテル・やどりぎ」の営業停止や、亡霊たちの慰霊碑の設置を望むのであれば、いくつかの条件をクリアした後にKP任意の技能をふることができる。
【ホテル・やどりぎの営業停止の条件】
・<ホテル・やどりぎ>にいやがらせ・営業妨害を仕掛ける。
・営業妨害行為が成功した、と判断できるダイス目がでれば、ホテルは営業を停止する。
一般人探索者なら下手したら逮捕エンドだし。
そうでなくても、逮捕エンドのリスクはつきまとうが。
【慰霊碑の設置の条件】
・S山町地元民の信用を得る(1名でも可)
・幽霊を見たと訴える
幽霊が実際にいるかどうかはともかく、<ホテル・やどりぎ>が訳ありの土地であることは、地元民は薄々勘づいている。日本でひとが死んでいない土地の方が少ないという説もあるが。
ただ、「実際になにがあったのかは分からない」ため、問題視するものがいないのである。
もしも探索者が「ここでひどいことがあったので、供養してほしい」と訴えるのであれば、慰霊碑の前にいたおばあちゃんのような人達が「もしかしたら上の世代が隠していたのはそういうことなのでは?」と動いてくれる。
「いっそ謎のオカルトスポットとして売り出そう」とか働きかけると判定にプラス補正が入る。この町は過疎化が進んでいるし、お金もあんまりない。商売繁盛すれば、交渉にプラスが入ることだろう。
実際は頭おかしいと言われて終わりそうだが。このシナリオはCoCだ。探索者的な考え方をするNPCだっているだろうという、あれ。
あなた方は手をつなぎ、箱に触れる。そして念じる。
この事態をどうにかしてほしいなのかもしれない。
哀れな亡霊を助けたいのかもしれない。
あなた方の想いと意思を受けて、箱が鈍く輝く。
すると、2人の肩がフっと軽くなる。
重かったことに、ようやく気付く。
「どうせ」
「どうせ、助からないことなんて………」
声が、聞こえた気がする。
どうせ助からないことを悟っていた、幼い声が。
その日、あなた方が眠った後、あのおかしな夢を見ることはない。
体が急に熱くなることもないし、身に覚えもない欲望にふりまわされることもない。
あなた方は、自由だ。
自由な体で、日常へ帰っていくことになる。
【報酬】
ED1:乗り越えた悪夢
生還報酬…1d6+1(異常な状態で生存をあきらめなかった)
亡霊を退散させた…1d3(神話的恐怖に対抗した)
あなた方は振り回されている。自由を、意思を侵害されている。
昼は理不尽な発情によって。
夜は恐ろしい追体験によって。
上手く眠ることもできず、HO2の死の姿まで見る羽目になった、5度目の夢の後。
目覚めたあなたたちの耳に、声が聞こえる。
「どうせ」
「どうせ、助からないことなんて知ってた」
「それでも、誰かに」
「知ってほしかった………」
その声を聴いたのは、最後。
それ以降、体が急に熱くなることもないし、身に覚えもない欲望にふりまわされることもない。
あなた方は、自由だ。
自由な体で、日常へ帰っていくことになる。
【報酬】
ED2:悪夢の果てに
生還報酬…1d6+1(異常な状態で生存をあきらめなかった)
時はさかのぼり、明治の初頭。
カソーグダを信仰するカルト集団があった。
教団はセックス・ドラッグ・拷問を伴う血まみれの儀式でカソーグダの解放を目指していた。
その集団は、単独での儀式では足りぬと外部から人を買い付け、あるいはさらってきた。
その冒涜的な儀式が行われていたのが、シナリオ開始に訪れるホテルのあった土地である。
既に娼妓解放令の出た時代。されど売春そのものが禁止されていたワケではない時代。
儀式に使う贄を調達するのは、今よりとても簡単だ。被害は明治18年ほど続き、大量の犠牲者を出した。
大量の犠牲者がいたのだが、遺体は残らなかった。事件として残っているのは「明治時代、少女が数名がさらわれ殺害された」という記録のみ。
正確に言うのであれば、暴行された少女の親達がその事実を「不名誉」ともみ消したことで、事件の記録さえ残らなかった。
記録に残らずとも、犠牲者の無念は残った。
幽霊は「犠牲者の意識の集合体」だ。長い間さまよいすぎて、犠牲者たちの意識はまじりあってしまっている。
見える影が毎回違うのはそのせい。
夜はHO1にとりつき、「主人役」を押し付けられていた人間の意識が表に出ている。夢の中では力を得るタイプの亡霊なため、HO1は行動まで縛られる。
昼はHO2にとりつき、「奴隷役」を押し付けられていた人間の意識が表に出ている。
夢シーンで段々POWの倍率が上がっていくのは、亡霊が夢を見せるたびに力をうしない、抵抗しやすくなっているためである。
幽霊達はホテルの2Fで性行為を行った・類似した行為を行った相手にとりつく。
憑りつき、自分たちの苦痛を訴える。
あるいは、自分たちが死んだことすら気づかぬまま、たまたま乗り移ることのできた体で、かつての「役割」をこなしているのである。
割と普通に可哀そう。
とりつかれてる探索者たちも可哀そう。
ちなみに2Fでのみ取りつかれる理由は「2Fで最後の儀式(拷問後の殺し合い)」が行われていたから。一番血なまぐさいから。
こういった背景があるが「ホテル・やどりぎ」に幽霊が出るという噂が出たのは、偶然だ。
「誘拐された男女の幽霊が出る」「痴情のもつれで自殺した男女に恨まれる」「昔は墓場だった」ホテルによくある怪談話である。
ただ、その噂を聞いて興味を持ったオカルトマニアが「やどりぎ」の近くをフラフラしている。
オカルトマニアはオカルトマニアなので、かつて面白半分に入手していた「夢見る人の罠(291p)+魂の監禁(P271)」を探索者に授けてくれるのであった。まさか使えるとは思っていない。徹夜明けで変なテンションになっているおかしな生命体なのである。
なお、この後ホテルは「カップルで2Fにとまると悪夢を見る・破局する」という噂が多少出るかもしれない。出ないかもしれない。
悪夢を見るだけといえば「だけ」だし、夢の内容も内容だ。その噂が広がるには時間がかかるだろうが。