周ちゃんコスプレするのかなと思った結果「仕事ならするだろ」と結論に至った
「センパイ。お菓子ちょーだい! はやくはやく! ハロウィンやで!
ちゃーんと準備してはるやろ? それともセンパイ悪戯してほしんか? んんー? それともまた花札で決める? ウチはどっちでも良いでー? ほらほらー! 降参するなら今のうちやで。せ・ん・ぱ・い!」
一息だった。
笑顔で一息で言い切るバイトに、三ツ木はおお、と押される。
「ないん? お菓子」
「うち近所のガキの巡礼コースに入ってるからあるが、全部だしてしまった。…大体、それでいいのか、君。ガキの行事だぞ、ハロウィン」
「元々はちゃーんとしたお祭りやし、最近はそうとも限らんよ? …それに、ウチはそれこそ近所の子供の引率終わってきたところなんよ? ねぎらってもよくない?」
「…そりゃ、そうだな。お疲れ様」
相変わらず楽し気なバイトに、所長は深く頷く。
三ツ木探偵事務所の仕事の3割は近所の雑務。本日は、近所のハロウィンしたい子供たちの引率。
それを終えて帰ってきた周に、三ツ木は背を向ける。お茶の準備のために。
そうして背を向けると、声をかけられる。
どこか楽しそうな声だということは、どうにか彼にも分かる。
「ところで、センパイ?」
「なに」
「こうして仮装してる後輩に、なんかないんか?」
問われて彼は振り返る。
笑顔の彼女と目があう。
仮装といっても簡易なものだ、黒っぽい服を着て、ドン●ホーテで売っているような魔女帽子をかぶった後輩を、彼はまじまじとみつめる。
まじまじと見つめ、曖昧な笑顔を返す。
「………ああ。かわいらしいな? お遊戯会のようで」
返すと―――重い沈黙が落ちてくる。こぽこぽと急須から茶を注ぐ音だけが、それを静かに破っていく。
「…センパイ」
「なんだ」
重い、呆れたような声に、彼はそっと茶を運び、向かい側に腰かけ、目をそらす。
目をそらしても、彼女の声の様子は変らない。
「別にウチは先輩に褒めてほしかったわけではないんよ」
「…おう」
「でもな、先輩客商売やろ? もっとこう、発言に気をつけるとかな? 愛想を持つとかな? 大事だと思うで?」
「はい」
「なんでそこにいらん一言がつくんや…お遊戯会は、ないやろ」
「…はい」
「うちをいくつと思ってるん?」
「22だった気がする…?」
「だからそういうところや。マジメに返してどうするっていう話なんよ」
厳しく言われ、彼はそらしていた目を戻す。
なにやら心配そうな顔をした彼女の顔を、気まずく見つめる。
目が合った彼女もまた、気まずそうに息をつく。
「……なんで本当にそう……まあ、ええわ……、お茶、おおきに」
「……反省しています……?」
「疑問形やね」
苦笑と共にそっとお茶をすする周。
出身にふさわしい優雅な所作に、不機嫌の名残はない。
ないから、彼はふ、と思いだした。
「…そういえば、先代が昨日きてな、まんじゅうおいていったから、食べていきなよ」
「ふぅん。…それ、それこそ近所の子がきたら配れってやつじゃないん?」
「かもしれないが。もったいないだろう。小学生に、しみせの饅頭。たけーぞ、あれ」
「ひどいこというなぁ」
「味分かるのに食わせた方がいいだろ。
むしろこれでも気をつかってガキにはハロウィン限定包装がどうこう書いてあるの渡したよ」
立ち上がり、棚をあさり。しまっていた箱を取り出し、ついでに皿も探す。
そのまま出したのではまた何か言われそうだ。気を遣うか、と。
「じーさんなにも言ってなかったし、周ちゃん前食って喜んでただろ。俺は甘いからいらない。客に出すには足が速いしな、饅頭は。残ったのも全部もってけ」
「……おおきに」
帽子をとって苦笑する後輩に、察しが悪いと評判の青年は首をかしげる。
なぜそこで笑う。なにかおかしいことでもあったか。
問おうとして、止める。
とりあえず、笑っているなら。まあ、いいか。
―――そんなところも、実に『そういうところ』なのを、彼は今日も気づかないまま。
窓の外、どこからか菓子をねだる声が響いていた。
Qなぜ昨日バレンタインの話をしてこんなものを書いているんですか?
A書きかけが見つかった。書きたいときが、ハロウィン。
ビスマスさんがタグで遊んでたのに便乗しました。周ちゃんはかわいいなあ(PL発言)周ちゃんが無事心臓を終えるなら三ツ木の命は肉壁でいいよ(PL発言)
おいしくあんみつを食べにいこう
おかしな空間に迷い混むのは2度目だといえば、彼女は信じただろうか。
あれから、君と近衛君が撃たれたあの日から。
俺は自分を殺そうとしたのを2名ほど返り討ちにしたし。
友人一人助けたくて、ずいぶん多く見捨てたと。
…そう伝えれば、彼女はあの時、こちらに任せてくれただろうか。
ハンドルを回して考えて、それはないか、とすぐ分かる。
今回のこれは彼女の事件だった。
ならば俺に譲るまい。
俺よりよほど探偵らしい、この探偵見習いは。
「先輩、また道違うで?」
「え、ちょっと待て。待て。その店俺行ったことなくないか?」
「新しくできた店やからなぁ」
「…値段は?」
「どうやろな?」
なんだ、その顔は。
俺はいくら出させられる予定なんだ。
頬がひきつるが、まあ。文句は言うまい。…彼女の胸のうちなど、わからない。
本当のところ、思うところがあるのかもしれないし、ないのかもしれない。
それでもおそらく、彼女の決めたことなのだろう。
なら口出すようなことじゃないし、口出すような仲でもない。
…ああ。でも。
『あ。あの雲八つ橋に似てる』
『雲は大抵三角だろう!?』
『待て待て、あれなのか!? 俺はそういう目で君を見るべきなのか!? 前提条件が色々違くなる! 俺は君をそうい目でみてないからこそお預かりしていたわけでな!?』
『そこは先輩の好きでええんちゃうの?』
……ならどういう仲なのか、と。
そういえばあの時なんだかんだでうやむやになったし…今も、まあ、うやむやになるんだろう。
俺の好きにしろというのならそうなる。
うやむやが楽だ、色々と。
確かなことなど、少なくていい。
彼女がどうやって俺を助けたかなど、どうでもいい。
支えずとも勝手に歩きそうだ、この子は。
だけれども、辛いとか言いたくなった時に、近くにいたい気はする
…痛がったり辛がったりしている彼女が、俺にはどうにも想像できないのだが。
だから、ともかく。我が侭の一つや二つ聞いておこう。
この子は大事な相棒で。それ以前にかわいい後輩だ。
「――――ちょっとまてなにあんみつにこの値段。コース料理!?」
「先輩、静かに。大声出すような店とちゃうの、分かるやろ」
「……甘いのばかりで俺食いたいようなのないし」
「じゃあその分うちが食べるということで」
「俺何一つ楽しくない…」
…訂正。たまにちょっと小憎たらしいが、それでも所詮小しかつかない。
なんというか…本当、なんというか、だ。
戀獄 ネタばれない戀獄まとめ:色々あって周ちゃんに抱き付いた。乳もんで尻も触ったと捏造されている。が記憶がないので分からない。
ため。あんみ食べにいくことになったお話でした。
なに関係といわれたらまあ、相棒関係じゃね?
色気のない壁ドン(古い)の話
どん、と拳が壁をたたく音が、二人きりの探偵事務所に響く。
長身の男と壁とに挟まれ、塩屋周はそっと男を見上げる。 青ざめ、眉を寄せる三ツ木衛太郎もまたそっと、小さく口を開き、
「悪い周ちゃん今少しでも動くと吐きそう、だからこの姿勢キープしたい。そっと。こうそっと抜けて」
「随分だらしないこと言うてはるな」
「反省してるから」
「先輩、見た目の割にお酒弱いもんなぁ」
「…うん、ほんと…反省してるから…声も響くから…!」
「はいはい」
するりと壁と腕との間を抜けていく後輩に、三ツ木はほっと息をつき、壁を額に押し付け、小さく呟く。
「…俺が飲まなきゃ君に来かねなかったからなぁ…」
ため息と共にもれた言葉を、慌てて呑み込み、少し周りをうかがう。
…耳の良い後輩が流しでお茶を入れてくれている気配に、彼は再度深く息をついた。
先輩は周ちゃんは相棒だと思っているし。なんなら自分よりよほど優秀だろと思っていますが。肉体能力的に肉体的な脅威からは守ってやらないと…と思っていますよという話。
それに周ちゃんの性別が関係あるのかは私も分からないし先輩も分からないよ!あとCON的に半々の確率で悪酔いする運命を持ってる。
ツイッターに流したお題気に入ってるので再録する
ハルハレで甘甘な創作するならお題は/@傷つくことは怖くない/A2人でハッピーエンド/B我慢しなくていいから です
https://shindanmaker.com/154485
@傷つくことは怖くない
目の前で、大切な親友が訴える。
危険な目に合わせたくないと。
自分がこんな目にあっては耐えられないと。
分かるだろう、と。
苦し気な訴えを聞きながら、青年は軽くうつむく。
こみあげる気持ちを飲み込んで、かみ砕き、腹に納めようとして―――吐き出す。
「分かるに決まってるだろ!」
傷つくことは怖くない。
怖いことは別のことだと。
それこそ『分かるだろう』だと。
分かっているであろう親友に、彼は強く拳を握った。
A2人でハッピーエンド
「次はさー。九州行くわけだけど、なに食う?」
「別に、その時決めたら?」
「それもいいけどな。せっかくだから有名どころでも言ってみようかと思ってよ。ほら、ベタな観光スポットまわるのって案外楽しいって、今回分かったし」
「そう。…別に僕はどちらでも構わないよ。色々描けたら」
「そっか」
「うん」
「…でも、今度はのんびりしたい気分かな。それも、どっちでもいいけど」
「だな。…ま、今度もどーにかなるだろ、色々と」
「どうにかなるもなにも、変なことに巻き込まれるのは嫌だよ」
「そりゃそうだけどよ。それじゃなくて。どーにかなるだろ、二人だし」
「…そうだね」
B我慢しなくていいから
うつむき、汗をたらし、肩を震わせる親友に、悠は呆れたように息をはく。
「晴太」
「お、おお…おお…」
なおも小さく震える肩に、否。全身に。
痛まし気に眉をひそめて、彼はそっと晴太の背中を撫でる。
「我慢しなくていいから」
「い、いやそれはな…」
優しく背中に添えられた手に、晴太は強く眉を顰める。
ひそめて、何かを返そうとしても―――言葉はそれ以上続かない。
だからこそ、悠が続ける。呆れたように―――心配そうに。
「無理しないで。ギブしなよ。その、チャレンジグルメ」
「悠がケロッと食ってるのに俺が諦めるとかねーしぐふ」
「むせてるじゃない」
「この近衛 晴太! 一度はじめたことを投げ出すような男じゃない!」
「…あっそ」
ハレハレコンビとても好きなのでいつかまた同卓したいです。
別に同卓しなくとも二人とも好きです。コンビ的な意味で。
○パイセンは「わかんねー子だなツユリ君」って思ってるけど、PLはお二人がとてもかわいいと思ってる。
「なーなー悠。本屋いかねぇ?」
「…いいけど」
「別に欲しいものあるわけじゃねーけど。ほら。やっぱり色々覚えとくにこしたことはないよな」
「そう」
「悠、ついでに寄りたいところとかある?」
「別に」
「そーか?」
「うん」
○続き:メロンブックスとか虎の穴で人気なんでしょ!? エロ同人みたいに! エロ同人みたいに!(?)
「そういえばよー。こういうところに悠の本っておいてねぇよな」
「うん。こういうところにはないね」
「そのうち出るかな?」
「どうだろうね」
「うまいから間違いなく出るって! 人気出る!」
「…ありがとう」
とかにっこり笑ってなに書いているかいつもごまかされているんだろうな。と思うのだけれども。 別にばれても晴太さん深く気にしなそうじゃね? 友情が勝たない? ってもたまに思う。
まばゆさで目がくらむ
昔から、飽きっぽい方だった気がする。
好奇心も強い方なんだろう。だからあれやこれやと手を出して、すぐ飽きる。
勉強…というか、学校にも飽きた。
いや、飽きたのは、学校というよりは、その人間関係なんだろう。
本当、窮屈だよなあ。スクールカースト。面倒くさい。
とはいえ、家は色々と厳しい家でもあったので、そんな長男への目は非常に厳しかった。
8個上の姉が非常に優秀であったことも拍車をかけたと思われる。
…と、言うと。なにやら仲悪げではあるものの。
呆れて、期待をされていないだけで。別にいたぶられてはいない。なんだかんだで愛されてはいるだろう。両親にも、姉にも。今も普通に話すしな。
…そして、だからこそ。居心地が悪かったとも言える。
ようは、なんだ。
面倒だった、色々と。
だから早々に家を出ることは決め、職を探している頃、親戚のじいさんに声をかけられた。
遠縁だが、雑貨屋をやっている実家に、たまに足を運んでくる人だった。
『お前、身体能力はそこそこだろ。うちに来い』
ケラケラと笑うその人は――――三ツ木事務所の、当時の所長。
俺が収容された場所は、曾祖父の弟が始めた探偵事務所らしい。
それから、先代の元でしばらく働いて。
じーさん、いや、所長が高齢を理由に引退したので、俺が所長になった。
マトモな、そう。探偵っぽい捜査は、いまだに先代のツテからしかこないが。そして頭脳労働は一切求められていないが。ついでに、主な仕事は近所のばーちゃんの家の雨漏り直したり、じーさんの大掃除手伝ったり、ラジオ直したりではあるが。
それでも所長で、そもそもこの事務所はそういうところだったらしい。
初代というその人が、そういう…近所の雑事を解決することに、喜びを見出していたらしい。
薄くとはいえ血がつながったその人に、別に親しみとかはわかない。
ただ、都合のいいところを作っておいてくれたな、と感謝はした気もする。
…だらだらとそんな日々をすごしていた時だった。
高校時代の後輩が、事務所を訪ねてきたのは。
その子は、頭がいい子だった。頭はいいが、出来の悪い先輩と同じようによく屋上でさぼってた。
ついでに家が厳しいらしく、たまに嫌そうにしていた。
そういうところが、というわけでもないが。なんというか、ウマがあったというか。いや、合ったのがウマなのか、実は未だによくわからないが。
というか、俺は。実を言うと、彼女のことがよくわからない。なにしろ女心にうといらしいので。…いや、まあ、ともかくだ。
屋上でだらだらと、のらりくらりと共に過ごしたその後輩を、可愛くは思っていた。
恋愛的な意味ではなく、かといってなにかと聞かれると、よくわからないんだが。うん、頼られれば悪い気しないし、逆に助けてもらったことも度々。
そんな子が探偵に興味あるとか言われたら、そりゃあ雇う。
…興味があるといわれる前に、仕事を手伝ってもらい。大変助かったというのも、あるけれど。値切りな意味で。
ただその時、思った。
彼女は、曾祖母だかなんだか、ともかく。探偵をやっていた親戚に憧れているらしい。
そうか、憧れる者がいるのか。目指すものがあるのか。なら。
それはとても、尊いことだと思った。
だから俺はこの子を可愛く思うのかね。自分にない情熱とか、そういうのを見ているから。
…そんなことも、思った。
***
そうだ、だから。
塩屋周が動き回るのを見るのが好きで、そのままにしておいた。
俺自身も、あの依頼人が何を隠しているのか気になって、おりなかった。
変死体が出てきた時点で、嫌な予感はしたけれど。
追い詰められた連中がとんでもない手段に出ることもあることは知っていたけれど。それでも。
…それでも。
「…でも、わかんねえだろ」
可愛い後輩が銃で撃たれて帰ってくるとか、そんなん、普通。
1人になると、ようやく体が震えた。
自分の判断の甘さとか、巻き込んだ二人への申しわけなさとか、そういうものも、あるけれど。
どうやら、俺にとって。あの後輩が怪我をすることは、思っていた以上に恐ろしいことだったらしい。
そして出目がモンペになった。三ツ木先輩はあまねちゃんがかわいい。…夢に向かってる人が好きなので近衛君とつゆり君も実は可愛い。
彼がアマネさん可愛がっている理由は正直私がアマネさん可愛く思っているからとしか…みたいな感じなので無理やり理由つけたよ。
慕われるの悪い気しないし、なんか、あのはんなりと厄介事に突っ込む様が好きらしいよ!新愛的な意味で。別に恋や愛ではなく!
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