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NPC台詞例

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エゴの在り処・共有メモ

事前調査

【精神科医・臨床心理士の違い】
臨床心理士の仕事はカウンセリングであり、病気の完治は不可能ではないが「解決率100%」というのは不自然だ。
病気の治療は精神科医の仕事なのである。

精神科医や心療内科医は心の病を診断し、病気を治療する。
その際に投薬を行うことも多い。
一方、臨床心理士は投薬を行うことはできない。

臨床心理士は依頼人に対する心理検査や面談、カウンセリングにより回復を目指す。
臨床心理士は依頼人の悩みの解決策を提案することはない。

依頼主が臨床心理士との話をすることによって、依頼人自身が考えを整理し、答えを見つけることを支える仕事なのである。
依頼主が重篤な病を持っていると判断された場合は、精神科医・心療内科医などの医師と相談しながら回復を目指していく。

【花浜・由佳子(はなまは・ゆかこ)28歳・女】
・K県に勤務するジャーナリスト。とある旅行雑誌の係長。
・性格と目つきはキツいが心根は割とやさしいキャリアウーマン。
・K県K市で恋人である万作と同棲していた。
・万作は彼女との結婚を決め、両親と縁を切ると言って出ていった。

【手塚万作(てづか・まんさく)】
・K県K市で由佳子とともに暮らしていた28歳。
・旅行会社のバスの運転手であり、そのことが縁となり由佳子と知り合った。
・内向的で口数が少なく、一言でいえば暗い。
・ただ、嘘はつかず誠実なので社内ではそれなりに友人がいた。
・実家から戻ってこなくなった際、仕事を辞めた。…が、急すぎることと、本人が仕事が好きだったため、仲間内ではおかしいと言われている。
・実家はK県から新幹線2本で半日かかるZ県。
・健在はZ県に戻り、由佳子との連絡を絶っている。


【蜜谷カウンセリングルームについて】
・今から五年ほど前に開業した小さなカウンセリング施設
・由佳子が住む町から車で一時間弱の郊外にある。
・入院施設はない
・個人のカウンセリング施設であり、医者は「蜜谷・妃(みつたに・きさき)」のみ。
・完全予約制で、受付時間は 8:30〜17:00
・受付時間は平日午前 8:30〜11:30・13:30〜16:00

【蜜谷カウンセリングルームの書き込み】
・重度の〇〇病だったが全快した
・死にたいと思っていたのがうそのようだ
・甘いお茶を飲み、ゆっくりと離しているうちに不安感がなくなる
・ずっと気にしていたことを告白した。気にしたくないと訴えた。そうすることでよくなったのだと思う。

*〇〇病と伏せているのはシナリオ作者が実在の病気の名前を出したくないだけで、シナリオ的な意味はない。

【蜜谷カウンセリングルームの悪い評判】
・ネット上には悪い評判がない。
・この時代に悪い口コミがないというのも、多少不自然に思える。
・ましてや心理カウンセリングは病気の役には立つが、精神病院と違い「投薬を行わない」。

【週刊誌の蜜谷妃の特集】
・彼女に取材が来たそもそものきっかけは「とある警察上層部が彼女のもとに通っているから」である。
・美人すぎる臨床心理士として特集されている。
・男女問わず虜にする「魔性の女医」とも評されている。
・目線をつぶされているが、確かにそこそこの美人であるように見える。
・どういった治療を行っているかに触れられてはいない。

【人づてに調査する】
・定期的に大きなトラックが入っている。なにを搬入しているのだろう。 ・あそこにいった患者はあまりに「治りすぎる」という噂がある
・法外な値段でおかしな薬物を売っているという噂がある。

蜜谷カウンセリングルーム周辺

<カウンセリングルーム>
【本棚】
 座ったまま本棚を気にするのであれば、まずは<目星>などに成功することで医学書やカウンセリング関係の本にまじって英語の書物が多いことに気づく。(立って近づくのであれば目星ロールは不要)
 その状態で<英語>に成功すれば<ネクロノミコン>という本が奇妙に印象に残る。(失敗で開示される情報はNecronomiconだ)

【不完全なネクロノミコンの写本】
キパコン32P、ペーパーブックス版ネクロノミコン。のさらに写しといった程度の不完全な写本だ。
厚さは同人誌程度。同人誌型ネクロノミコン。ラテン語ですらない。蜜谷の教団が信者に配る聖書のようなものである。

手に取り、流し見する程度ならば「正気度喪失0/1d3」「神話技能+1」
研究するのであれば、1週間の時間と英語の成功が必要。
内容はニャルラトテップを知恵の神としてたたえている。(神話技能+1)
この時点で探索者が望み、INT*3に成功したのであれば「ニャルラトテップとの接触」を習得できる。(神話技能さらに+1)

【机】
 机の上に、気になるものはなにもない。
 ただ、ぴたりと閉じられた引き出しから、赤いなにかがのぞいているのが気になった。

 近づかないのならばそのまま<目星>近づいてその花びらをとっても蜜谷は気にしない。

・目星
 →あせた赤い花びらだと分かる
・手に取って、博物学・薬学・医学・その他KPが麻薬に関すると判断した技能
 →ケシの花びらのように見える。園芸種ではない。麻薬が生成できるものであるようにも見える。

【手塚の証言のまとめ】
・彼女への思いが変わったわけではない
・ただ自分は家に従うべきだ。そうでなければいけない
・今も彼女のことは好きだ。なぜ冷たく当たってしまったのかわからない
・いや、別れなければいけない以上、これでよいのだ

蜜谷カウンセリングルームMAP

【外】
・庭
・塀
【1階MAP】
・カウンセリングルーム
・トイレ
・物置
・2Fへの階段
【2階MAP】
・手前の部屋
・真ん中の部屋
・奥の部屋
・物置

1F物置

【通常の顧客名簿】
カウンセリングに来ている人間と、回数。
その他、このカウンセリングルームの経営に関する情報がまとめられている。
<経理>に成功すれば通常のカウンセリング業務のみではこの施設が維持できないであろうことが分かる。

【奇妙な顧客名簿】
顧客と思わしき人間の名前と、注文された品物の合計金額がまとめられている。
どうやら直近1か月分のようだ。
おそらくは一か月分が最小の単位だが、なんの品物なのかは書いていない。
また、カウンセリングに来ている患者の名前ではないようだ。

・〇山×太 1か月分 10万
・〇田×子 2か月分 20万
・〇原×三 3か月分 30万
・手塚千一 1か月分 10万
・〇川×也 1か月分 10万

由佳子に確認するなら、手塚千一は手塚万作の父である。 また、<知識>他KPが適切と判断した技能に成功すれば「〇川×也」が最近ニュースで防犯訓練の演説をしていた、警察の高官であることに気づく。

【ファンの醸造酒の製法(キーパーコンパニオンP88) 】
 詳しいことはキパコンの著作権の観点から省略する。
 本シナリオで大切になるのは、この醸造酒があれば対象の行動・態度をある程度操れることだ。
 食料に混ぜてしばらくすれば、犠牲者の遺志を侵食する。
 飲まされた時点である程度術者命令を聞くようになってしまう。
 同時に、2,3週間かけて醸造酒をのませられる度、犠牲者は操る人の視点や考えに染まることになる。
 (本シナリオでは蜜谷が口頭で教える呪文を唱えながら対象に飲ませれば、魔術師でなくとも暗示がかけられる。手塚万作の場合、術者は父である)

 手塚の場合は、父親により「自分たちに従い、由佳子と縁を切れ」と暗示をかけられている。
 …が、醸造酒では人の性格を変えることはできない。あくまで術者の考えに染まり、暗示をかけるだけだ。
 だからこそ彼は今も由佳子のことを心から愛している。両親のことは嫌っている。
 結果として、由佳子に関する話題を出されると壊れたテープレコーダーのごとく「だめ」と繰り返すことになるのである。

シナリオ背景・報酬一覧

HO1・ED報酬一覧

生還報酬
・SAN値+1d6
追加報酬
・ファンの醸造酒を入手した:リスクを負って真実を追求したという意味で、SAN報酬+1(最終的な所有者はHO2でも同様)
・星の精を撃退した場合:神話生物を乗り越えたという意味で、SAN値+1d3
・星の精を目撃・あるいは攻撃を受けた場合:神話技能+1
・ファンの醸造酒を飲んだ場合:神話技能+1

HO2・ED報酬一覧

生還報酬
・SAN値+1d6
追加報酬
・ファンの醸造酒を入手した:リスクを負って真実を追求したという意味で、SAN報酬+1(最終的な所有者はHO1でも同様)
・星の精を撃退した場合:神話生物を乗り越えたという意味で、SAN値+1d3
・星の精を目撃・あるいは攻撃を受けた場合:神話技能+1
・ファンの醸造酒を飲んだ場合:神話技能+1

シナリオ背景

 とある教団の資金調達にいそしむ女がいた。それが蜜谷である。
 蜜谷はとあるニャルの化身から<ファンの醸造酒の製法>を授かっている。彼女は召喚すると知恵を授けてくれるタイプのニャルの信者である。そしてニャルと遭遇してなおSAN0にならないという意味では、非常に有能な人材だった。
 魔術師としては有能でも犯罪者としてはイマイチつめが甘い蜜谷だったが、教団の力とか醸造酒の力でどうにかやっていた。
 そうして数年前、シナリオの舞台になる町に流れ着き、カウンセリングルームを構える。
 最初は悩みがある人間の話を普通に聞いていた。その中で「特定の暗示をかければ治ったと錯覚できそうな人間」には醸造酒により暗示をかけ、良い評判を広げていった。
 他の教団員と協力したりしなかったり、いろんなところに顔を出したり。地味に努力し、次第に「人を意のままに操ることのできる薬」をそういった願望がある人間に売り始める。
 そのことが、ある時とあるヤクザの耳に入った。
 自分が作らず、卸さず。とがめないでやるから分け前よこせとだけ言っていた。ヤクザとことを構えたくなかった蜜谷は、素直にそれに応じていた。それが名木原の反乱分子と彼女の関係である。
 ちなみに「こいつどっかでポカやらかしそう」と判断したヤクザは常に変装してたし名前も名乗らなかった。あわよくば製法盗んで目障りな組頭に一服盛ることが目的だった。…のだけれど、醸造酒の管理だけはしっかりしていた蜜谷により、その目的は達成できなかった、彼に醸造酒を売らなかった理由は「そうして用済みになり殺されるのが嫌だったから」である。その程度には正気。

 そうして、ヤクザとつながりがあったりその他のツテからチラチラと「人を操る薬」が認知され出したころ。
 Z県のミスター土地持ちで金があるだけが取り柄こと、手塚千一の耳にそういった情報がたどり着く。
 彼は醸造酒を購入し、数日後に一時帰省した息子に暗示をかける。「自分たちの言うことに逆らうな。お前を惑わす女にはもう会うな」という暗示だ。万作が蜜谷カウンセリングルームに通っていたのは「暗示がかかっているかの定期的な確認のため」である。

 とはいえ、あまりに本人の意に沿わぬ暗示だったので、周囲に不審がられる。解毒剤がない限り暗示がとけることはないが、彼は「急に心変わりした理由」を説明できないことも、怪しさに拍車をかけた。
 カウンセリングルームの前で手塚を出待ちし、口論になった由佳子はすぐに不審な点に気づいた。マトモな医者にかからせようともした。だが、強引に突破され、張り飛ばされる。(暴力を振るわれた件について、由佳子は決して口を割らない。そんな男と別れろと言われたくない。まだ手塚を信じていたいからだ)
 万作があれほど嫌っていた暴力に走るなどありえない。けれど、実家に戻って精神に異常をきたした(毒親からの洗脳的な意味で)可能性もゼロではないのだろうか。その場合、自分に彼を支えられるのだろうか。
 諸々悩んだ彼女は、その足で蜜谷に怒鳴りこみに行く。婚約者だ、どんなカウンセリングをしているのか聞かせろ、と。
 蜜谷が手塚に行っているのはカウンセリングではないが、あの場所はキチンと許可をとった施設である。
 由佳子の行為は営業妨害にあたり、無理やり返された。

 蜜谷カウンセリングルームの「良すぎる評判」にたどり着いてしまったことと、急すぎる変貌に強い不安感を覚え、友人である探索者たちに相談(あるいは愚痴)をもらすのが、HO1導入である。

 HO2は純粋に「あー。組長に立てついてるヤツが麻薬取引手を出してるっぽいなー。ラッキー。これでアイツ殺せるじゃん! でも俺が証拠押さえても「組長シンパの捏造」ってことになっちゃうからなー。困ったな―。よそのやつらに探してきてもらおう」「よそのやつらに『組長の意味添わないことしてるヤツラがいる』なんバレたら、メンツ大好きなヤツラは逆らえないもんな―。ちゃんと反乱勢力片付けても文句言わないもんなー。よーし、適当な証拠とってきてくれるヤツラ、雇お」というヤクザに雇われた。
 HO2の依頼人の目的は「何でもいいから難癖付けて、反乱勢力に制裁を」なので多少適当でも気にしない。組の恥(統制とれてない)を周囲にもらしたことでより一層反乱勢力との対立が深まったりするけれど。依頼人も組長も気にしていない。彼らの目的は「反乱勢力を残らず殺害」後の「名木原組の解体」なのだから。

シナリオの流れ

・蜜谷、やくざと手を組み醸造酒の販売を始める
 ↓
・手塚、両親に醸造酒を盛られ「由佳子に会わない」という暗示をかけられる
 ↓
・シナリオ開始
 ↓
・蜜谷、夜に所属する宗教団体の寄り合いに出席。あらかじめ準備していた「消滅」の呪文で帰宅。
 ↓
・家に帰ると探索者たちが侵入している痕跡を見つけ、とどめを刺しに来る
 ↓ ・HO2がケシの花栽培を名木原組に報告するのであれば満谷は現組長勢力により襲撃される(生死不明)

エゴの在り処・NPC台詞例

*全員改変自由。フリー素材。

蜜谷・妃(みつたに・きさき)35歳

 ロールの基本的な方針は「いきすぎた傲慢と慢心」「正気度は残っているが、正気ではない」「物腰は丁寧」「どんな窮地に陥っても丁寧」
 自分のやっていることが悪い自覚など十分にある。けれど彼女は金が欲しい。人を意のままに操ることに快楽も感じる。なぜ彼女がそのようにゆがんだのかは、特に設定していない。POWの高さのせいで魔術師やれたのが運の尽きだったのかもしれない。
 ちなみに蜜谷妃の名前の由来は「蜂<蜜>みたいな見た目したAFだけが取り柄」で「お妃さま気どりの浮かれポンチ」です。

探索者に対して

「今日は、どんなお悩みで? ●●。…そうですか。そのお話を、ゆっくりと聞かせていただけますか?」
「そう。あなたはそう思うんですね。あなたがそう考えたことは、とても尊いこと。辛いことを受け入れるのも、見つめるのも、忘れるのも。すべてとても大変で…。それを人に話そうとしてくれたあなたを、私は尊敬します」

昼間のカウンセリングルームにて。もし手塚の後をつけ、受付の静止を振り切り、こっそりとのぞいたら

「そう。あなたは「親の跡をつがなければいけない」「花浜由佳子と別れて」。そう思うんですね?」
「はい」
「そう。そうですか。あなたがそういうなら、そうですね」
「はい」
「あなたは「親の言うことを聞く」道を選んだんですね…」
「はい」
「ところで、つらいことはありますか」
「……。もう辛いと思ってはいけないことです」
「恋人さんのことですか」
「……」
「いいんですよ、つらいなら、吐き出して。カウンセリングとはそういうものです」
「……………」

手塚への行為を非難した場合

「飲ませた相手を戻す方法? さあ。知りません」
「でも、戻す。戻す。戻すですか。素敵ですね。でも、それって、あなた方がここで死ぬほどに大切なもの? そんなにも意味があるもの?」
「薬物一つ、人の言葉一つ。それだけで揺らぐ信念や人格に、なんの意味があるの?」
「それをいじればこんなにも確かなものが…力とお金が手に入るの。―――それって、素敵なことじゃない」

「私はね。お金を集めなきゃいけないの。そのついで人助けもする。…いいことでしょう?」

警察に引き渡した後に警察病院で面会する場合>

「私、なんだかおかしな人に騙されてたみたいですけど…もう、大丈夫。警察の人が、よそでやり直したらどうか、と勧めてくれて…」
「すぐに同じ仕事をすることはできませんけど。…ゆっくり、いろんな人と話をして、回復していこうと思います」
「お医者さんが言うには、どこかおかしいらしいから…」

「化け物? あら。それは私の妄想だったのでしょう?」
*この台詞はすべて嘘だ。そういう設定で過ごすことになったと、探索者に宣言しているだけで。

「…ねえ。あなた。人はどこからどこまでが本能で、どこからどこまでが良心…社会と接するための窓かしら。その二つを繋ぐのは、犯しがたい、神聖なものかしら。…本当に?」
「……という話を、せんせいが、するのだけど…むずかしくて、わからないの…」
*これもまた嘘である。

花浜・由佳子(はなはま・ゆかこ)20代後半〜30代前半(探索者の年齢に合わせ不自然ではない年に変化)

ロールの基本的な方針は「健全な人物」「想像力は少々かける」「万作のことを心から案じているが、探索者も同じくらい案じている」
清く正しく生きているため、クソ野郎耐性が若干かける良くも悪くも善良な人。手塚が親と折り合いが悪いことを知っていたし、ならば無視して結婚してしまえばいいと思っていたが。「殴ったらすぐに帰ってくる」という手塚の言葉を素直に信じ、送り出してしまう。とはいえ、一服盛られることを予想して対策しろというのが無茶だ。手塚も彼女も割と気の毒である。

HO1に対して

「こんなどうしよもない愚痴というか…お願い聞いてくれて、ありがとう。でも、蜜谷とかって女の様子だけ見てくれたらいいから…。…ほら、客の男に色目使ってないか、とか。それだけ確認してくれたらいいの。…ごめんね、私の問題なのに。短気起こしてもういけないばっかりに…こんなことを頼んで」

「ねえ、ちょっと。潜入ってなに? そんなことまでしなくていい。…犯罪までしてあの人を助けたいと思っていない。…いいえ。私は助けたいけど…それをあなたたちにしてもらうわけにはいかないの」

「ありがとう、万作を助けてくれて。ありがとう。本当に。
 ああ、だめね。…ほかに言葉が出てこないの」

手塚周辺

「あの人とは、取材のときに会ったのよね。それで色々と話を聞いているうちに、気づいたら。…馬鹿みたいに真面目で、急に仕事を放り投げる人には見えなかったけど。私に見る目がなかったのかもね」
「未練? …あるはあるけど、早く忘れなきゃ。事情があったとしても…話してくれないなら、助けようがないじゃない」

「あの人は…説明を放棄して腑抜けるような人じゃない…。…なかったのに。どうしてこうなっちゃったんでしょうね?」

HO2に対して

「あの人どころか私にまで関係ない方をまきこんでしまい、もうしわけございません」

「ねえ、HO1。…あの人、普通の人じゃないんじゃない? お引き取りしてもらった方がいいと思うのだけど」(HO2が怪しい素振りを見せた場合)

手塚・万作(てづか・まんさく)由佳子と同い年

 ロールの基本的な方針は「無理のある暗示の所為で支離滅裂になってしまっている狂人」「由佳子のことは愛しているのに<なぜか>離れなければという思いにとりつかれ、正直泣きたい(泣かない程度の理性はシナリオ開始時は残っている」
 由佳子には「どうしても一発殴りたい」と言って親の元に向った彼だが、心のどこかで一つだけ願っていたことがあった。「一度でいい。謝ってくれないか」「恨んでいるのはつらい、許せるなら許したい」親子としてやり直す気などカケラもなかったが。憎しみが捨てられないまま由佳子と結婚するのが嫌でつい機体してしまった、とことん気の毒な人である。色々と警戒はしていたけれど、一服盛られるとまでは思っていなかった。別に彼に非はないと思う。
 探索者が醸造酒を入手することで暗示から解放されるが。回復した後由佳子とうまくいくかはわからない。今回のことで傷つけたと彼が卑屈になるかもしれない。そのことに由佳子が耐え切れないかもしれない。
 一度傷つけてしまったからと、真摯に由佳子に向き合い、信頼の回復に努めるかもしれない。由佳子もその姿に改めて愛情を抱くかもしれない。どちらにも転びそうな人達である。
 どうでもいい補足だが、名前の由来は紫陽花の異名としての「手毬花」。植えられた土のph値により色の変わる花である。

醸造酒の影響による台詞例

「なんでいきなり別れるか、って。「そうしなければいけないから」ですよ。それ以外に理由などありません。だって俺は彼女が好き、…好きだから、俺と付き合ってもらうわけにはいかないんだ」
「だめなものはだめなんですよ。それだけです」
「だめなものは、だめ。だめはだめ、…だめなものはだめなだけですよだめなんです」
(彼は質問を重ねられれば重ねられるほど支離滅裂になっていく。あまりに意思に反した暗示な所為で、うまく適合性がとれていない)

醸造酒の影響から抜けられないままEDを迎えた場合

「…俺は戻らないと」
「もどって、言うとおりにしないと」
「そうしないとダメ…そうしないとダメなんだ…」

醸造酒の影響から立ち直り数年後・もしすべてがうまくいったら

「…彼女を支えてくれてありがとうございます」
「本当に、情けない姿を見せました。忘れてくれるとありがたいですけど…無理か」
「ええ。本当に。俺が不用心だったばかりに、彼女に苦労をかけてしまった。あなた方にも、危ないことをさせてしまった」
「申し訳なくて、もう、ずっと小さくなっていたいくらいですけどね。…それはそれでみっともない。キチンと胸を張って生きることにします。だから…困ったことがあったら、今度はこちらを頼ってくれたら。  頼ってもらえるような人間に、彼女と二人なら慣れると思っています」

山尾下・勇武(やまおか・いさむ)30歳

 シナリオを円滑に回す以外の役割はないとことん探索者に都合のいいヤクザ。人の可能性を見ると興奮する愉悦系詐欺師。すべてが胡散臭い。名木原組現組長に寄せる忠義だけは本物。おそらく夫婦の熱血少年漫画なノリが好きなのだと思う。
 探索者に都合さえよければどんな風に改変しても問題ない人物なので、どうでもいいことである。

HO2導入台詞例

「死体はなあ。面倒なんだよ。俺個人で処分できるのなんて一つが限界だよ。できればできないと嬉しいな」
「ああ、でも薬物作ってる証拠さえあれば、組の方動かしてもらえるから。もう少し大丈夫だよ」

「頭がヤクザ嫌いな理由? 姐さんがヤクザ嫌いだからでしょ」
「姐さんがヤクザ嫌いな理由はねえ。メンツだ義理だ人情だ。金にならないプライドのため、暴力振るうのが嫌だって言ってたね」
「やることに対して、釣り合いがとれてないんだってさ。…いやあ、先代が聞いたら血管切れるね。その前に血管きれて真だけど」

探索者が蜜谷のことを彼に行った場合の台詞例

「ありがとうございます。報酬は後ほどお渡ししますよ」
「あとは…こちらですべて、良いように。いや、本当にありがとうございました。今後もまたなにかあったら、よろしくお願いしますね」
「どうするか? まあ、殺しましょう。少なくともその女の方は。…なんか色々と面倒くさそうなので、その女だけしか殺せなそうですけどね」
「え。化け物がいた? …そうか。そういうこともあるかもしれませんね。いえ、うちの組員の1人がそういうワケの分からぬことを言っていたことがありまして…。…世の中、そういうこともあるかもしれないな、と。あなたが嘘をつく理由もありませんしね。…信用していますよ? 今後とも、よろしくお願いいたします」

合流サンプル台詞

「はじめまして。探偵の山下と申します」(HO1と接触する場合名乗る偽名)
「いや、なに。ここでおかしなモノが売られているのではないか。そういった依頼ですよ、本当はこれも言ってはいけませんが…目的は同じなようです。協力していただけませんか?」

蜜谷殺害時・サンプル台詞

「ああ、すみません。探偵というのは嘘です。まあ…ヤクザですね」
「…別に殺したくはありませんでしたが。うちのシマでカタギの死体出すわけにはいかないのでね。この人には死んでもらうしかないな、と」
「うちの頭は…。ヤクザのことはヤクザだけで、カタギのことはカタギだけで片付くのが理想だそうで。俺がその期待を裏切るわけにゃ、いきませんよねぇ」
「あなた方が出頭を望むなら、そのように。俺は都合よくあんたらを気絶させられるほど強くはないんでね。
 下手うってあんたら殺したら、わざわざこんなことした意味がなくなる」

幸原・綾彦(ゆきはら・あやひこ)22歳

 シナリオを円滑に回すための隠しキャラ。あんまり出てくる機会はないと思われる。愉快なにぎやかし役。三下属性。幸原探偵事務所は彼の父が所長をしている。いつか別のシナリオに出てくるかもしれない。
 彼は探索者が星の精の「かみつき」で身動きが取れなくなった場合、絶対に見捨てない。
 それ以外は好きに改変し放題なキャラクターである。

合流時台詞例

「なんで潜入までするか。なんで。なんでって、まあ、仕事ですし…それに」
「本当に人の性格かえちまう薬なんてあったら…それの被害者…増やすのは、だめだろ」

星の精との遭遇時台詞例

「何あのバケモノ!? 俺あんなのと戦うの!? 安月給なのに!?」
「いやあ、警察頼れないとなると怖いですよね。もう帰りたい。でも帰れない。依頼人に義理があるから!」
「ひのきの棒で勝てる相手じゃないじゃん! 誰か丸太持ってきて!」

探索者が星の精の「かみつき」のせいで動けない場合の台詞例

「叩くなりえぐるなりすれば外れるかもしれない! 手伝ってくれ!(他の探索者にむけ」
「なあ、あんた、目閉じるなよ! 気が弱くなるとヤベエからな怪我したときは! そう、怪我だ! ただの怪我だ、絶対助かる…助ける!」

あとがき

 タイトルの「エゴ」は自我です。エゴイストではなく、心理学や哲学でよく論じられるエゴ。  詳しくはhttps://kotobank.jp/word/%E8%87%AA%E6%88%91-72329参考。
 イド(本能)と超自我(良心)の間に介在する自己の在り処を問うシナリオだったんだよというあれですね。

 蜜谷がいい気になっていう機会があるといい気になって述べる口上があります。

「薬物一つ、人の言葉一つ。それだけで揺らぐ信念や人格に、なんの意味があるの?」
「それをいじればこんなにも確かなもの(金)が手に入るの。―――それって、素敵なことじゃない」

 そういうシナリオです。
 シナリオのテーマは「私の推しAFを見てくれ!」ですが。キパコンはいいぞ。PLしてる時そんなに役に立たないけど。です。
 黒幕が賢いとね。シナリオが伸びるからね!
 2020/03/28 初版アップ 2020/04/19ED分岐追加