主要登場人物(年齢はあくまで目安です)

相崎拓登(あいざき・たくと)年齢:21歳身長:182cm

 金髪短髪、切れ長の瞳は翡翠色。どことなくぼーっとしているもののそれなりの美丈夫。
 本編の(とりあえず)主人公なことが多いこともない。現職業は実家の上実木街にある喫茶『みなと』2代目店長。稼ぎが足りないのでたまに退治屋。
 元々は統都の警軍…の中でも優秀なのが選ばれるの対魔部隊に所属。だったのだが、20歳の際、父の死がきっかけで放り投げて帰郷。弟に三日三晩考えなしよばわりを受けるが、決心は変わらなかった。
 性格は基本的に真面目。手先は器用だが生き方が不器用。本性は若干ヤバイ。
 たまに嫌にずれたことをするが、特に天然というわけでもない。自分で思っているほど一般的な性格とは言い辛い。
 得物は刀で腕は一流。ただし、魔術は簡単な肉体強化と治療呪文くらいしか使えない。それすら呪文の丸暗記で泣きながら覚えた。学校では一応魔術は必修科目なのだけど成績最悪。レポートは全て弟任せ。頭が悪いわけではないがとことん魔術への適正はない。

相崎成冶(あいざき・せいじ)年齢:17歳 身長:177cm

 背中の半ばほどに伸ばした髪は赤く、笑みを浮かべる瞳の色は紫。兄と違い、母譲りの女性的な美貌の持ち主。
 魔術について教える名門学校を出た後、魔術師組合の研究員として働く。専攻は攻撃魔術とその生活への応用。
 現在は研究所の寮で暮らしているが、兄とは副業を通してちょくちょく顔を合わせている。
 軽薄で皮肉気にとれる物言いを好むが、その実それなりに思慮深い。自分で言うほど冷たい人間にはなれてない。ツンデレ。
 早熟な魔術の才と手加減知らなかった性格が原因で、子供時代に同世代の人間から避けられて育つ。なにかと自分をかばってくれた兄に対する想いはわりと複雑。
 得物は短剣で腕はそこそこ。メインは魔術で、やたら派手なものを好む。使えない系統はないが、極めた系統もないという中途半端さが本人としては不満らしい。

神宮舞華(じんぐう・まいか)年齢:17歳 身長:158cm

 茶髪の髪は所謂セミロング。大きな瞳は鳶色。明るい笑顔のよく似合う可愛らしい少女。
 15で商業系の学校の出た後、退治屋を志願。初仕事でうっかり死にそうになってるところを鈴に拾われる。それから鈴とは相棒であり同居人。依存と言ってもいいくらい懐いているが、それを危惧する心もあるらしい。
 性格は直情で純情で勝気かつ無鉄砲。トラブル収集体質。喜怒哀楽が極めて激しく、よく笑ってよく泣く。好きな相手には尽くすが、嫌いな相手にはとことん冷たい。筆頭は成冶。
 一見弱きを助け強きを挫くタイプだが、その正義感の裏には諸々の事情があることから、なにかと危うい。保護が必要な野生動物(凶暴)系。
 得物は槍で腕は一流、将来的にはそれ以上。魔術は肉体強化系を一般的なものだけ一通り、治療呪文は初級だけ。『ぶつぶつ呪文唱えるのは性に合わない』らしい。

須堂鈴(すどう・すず)年齢:18歳 身長:170cm

 腰まで伸ばされた黒髪と、切れ長の藍色の瞳の寡黙な印象の美少女。
 ごく普通の教養を教える学校を出た後、基本的に退治屋として働いている。舞華とは相棒。…なのだが、彼女に対してはかなり過保護。舞華の危うさに気づいた故なのだが、本人のためになるかは微妙なラインである。
 実家が大手の魔術道具の店。血のつながりはないが両親との仲は良好で、良好だからこそ迷っているらしい。
 相棒に対して以外も世話焼きで甲斐甲斐しくナチュナルにお節介。必要以上のことを話さないのは、『天然』と評されるのが不本意だから。
 養父に引き取られる前に色々と酷い扱いを受けたためと特異体質の所為で感情を喪失気味だったが、両親と相棒のお陰で、現在は改善されている。そのため顔にはでないが喜怒哀楽がそれなりに強く、ある意味誰より暴走しがち。保護が必要な野生動物(マンボウとか)系
 獲物は細身の長剣、けれど養父に鍛えられてるので他の得物も一通り扱える。魔術を中心とした戦闘スタイルは成冶と同様だが、彼女は非常に地味で堅実。ある経験から毒を使うのは嫌い。


関係者

本城祐絵(ほんじょう・ゆえ)年齢:21歳 身長:156cm

 短く切られた髪は銀糸の髪、青い瞳は宝石の如き、その表情と相まって人形じみた美人。
 拓登の元相棒で現恋人。…たぶん恋人。職業は魔術技術を生かした士官学校向け臨時講師、薬剤師等、および店の定員等の労働職。今風にいえばフリーター。
 孤児院の出て、早く自立しようと決意(ちなみに本城は孤児院の姓)。魔術の腕をてっとり早く生かす職だったからと軍に志願。士官学校を出た後に拓登と出会う。
 倫理道徳心や一般常識は持ち合わせているものの、感情の起伏が少ない。物事への執着も頓着も薄く、痛みや苦痛に対する態度も曖昧。特に原因があるわけでもなければ、決して無痛症を患っているわけでもない、そういう性格らしい。
 18歳当時魔物との戦闘でおった怪我により、色々あって軍を退役。
 得物は剣で腕は拓登以下、成冶以上。魔術の腕も文句なしに達者。見た目に似合わず火との相性が良い。

谷川冬悟(せがわ・とうご)年齢:17歳 身長:163cm

 ゆるくウェブした黒髪短髪と薄青い瞳を持つ、愛きょうのある顔立ちをした少年。
 成冶の学友であり、現在は管轄違いだけど同僚。昔は二人で色々やらかしたらしいが、現在はお互いそれなりにマジメに生活している。特に彼はさりげなく要領がいい。
 大人になったように見えつつも、未だに学生時代の知り合いが二人を見つけたりすると怯えてダッシュで逃げていく。そんな人達である。

葛木孝祐(かつらぎ・こうすけ)年齢:32歳 身長:171cm

 赤い髪に黒い瞳の、柔和そうな顔立ちをした男性。職業は軍医。
 拓登の警軍時代の知人であり、現在は喫茶「みなと」の軽い常連というか友人。優秀な魔術師であり医師である割に表情や仕草が子供っぽい。部下や患者にはわりと親しまれる。魔術師らしくない人らしい。
 ちなみにかなりアツアツ(死語)の恋人がいる。お互い忙しくて入籍し損ねているらしい。

式屋実琉(しきや・みのる)年齢:20歳 身長:180cm

 襟足にかかる金色の髪に、灰色の目をした、わりと明るい青年。
 本人いわく歌って踊れる魔術師。うたって踊ってどうするんだよとつっこまれていた、拓登の後輩で元相棒。現在は友人。
 酒と煙草をこよなく愛し、コーヒーも割と愛してるのに常に某喫茶店では紅茶を頼む。
 飄々としたような物腰で、実は色々とがらんじめ。その理由の一旦が突然辞めた元相棒であることは、今も割と根に持っている。そしておそらく気にもかけている。わりと面倒見がよくそれなりに情が厚い。

須堂槙太(すどう・しんた)年齢:45歳 身長:178cm

 真っ直ぐな黒い髪と褐色の目をした、鋭い印象の顔立ちを持つ男性。
 鈴の養父であり師匠であり、魔術道具屋「須堂」の2代目店主。…ちなみに退役軍人であり、神宮美華とは士官学校時代の同級生。かなり優秀。で、かなり無愛想。忙しくとも従業員を増やさない。
 色々得体のしれないと言うか怪しい娘を保護し、やっぱり色々あって養子にとった。娘のことはわりと大切に思っている。ちなみに教育はわりとなちゅなるにスパルタ。娘が傷つくって帰って来る度1人ご飯が日の丸弁当仕様になるという妻からの嫌がらせを受けつつもスパルタ。とりあえず全ては娘への愛ゆえである。

須堂咲子(すどう・さきこ)年齢:42歳 身長:160cm

 紅茶の髪と青い瞳をした、いつも笑顔の女性。
 慎太の妻で鈴の養母。魔術道具屋「須堂」の唯一に近い従業員。元々は定食屋のウエィトレスだったけど今は旦那に意見できるくらいきちんと仕事を把握している人。
 旦那のこともかなり愛しているが、色々怪しかったり昔は不安定だったりした娘はさらに全力で愛しまくっている。正直退治屋は止めて欲しいと思いつつ見守っている。でも止めないであろう娘もまた愛しい。
 それでもまるでおっさんみたいな口調になっちゃったことも傷増やしてくることもお母さん悲しいので旦那にちくちく嫌がらせをする。献立的な意味で。まぁ、仲良し家族でバカップル。

(あい)(本名は別) 身長:156cm

 こげ茶色の髪はベリーショートで、藍色の目をした女性。
 鈴が故郷にいた時、彼女の世話と管理とを全面的に任されていた人。自身もそれなりに優秀な魔術師だが、今の鈴には負けると思う。
 血筋の古さに価値を置かれる里で、外の父親と里の母親から生まれ、非常に冷遇されて育つ。やがて母が亡くなった後は、里から追いだされるはずだったのだが…族長息子に気に入られ、その使用人として残ることになる。
 その性格は色々世の辛辣を舐めてきた所為で屈折して暗く基本的に打算的。だったのだが、なにも知らず自分を慕う鈴を無下に扱うことはできず、少しずつ明るくなり――彼女を外へ逃がすことを決める。
 結果は鈴目線で語られている。…が、最後の最後で幸せだったとは本人の談。

神宮美華(じんぐう・みか)身長:159cm

 ショートカットの黒髪と黒い瞳を持つ、愛らしい顔立ちをした女性。…ちなみにその面立ちはほぼ娘に受け継がれている。
 舞華の母親で警軍の対魔族部隊に所属していた。わりと優秀な人だったらしいが、性格に難がある…激しい気性の人だったらしい。
 曲がったことには鉄拳制裁。気に入らないことにも鉄拳制裁。愛する娘にも本気で怒る時はわりと容赦ない。顔に似合わず怖いとか言うと不機嫌になる。
 その昔ある友人を「友人にしか見れない」というある意味エグい理由でふったことがある。好みのタイプは(腕っ節が)強い人。

神宮優哉(じんぐう・ゆうや)(旧姓:三瀬)身長:173cm

 少し長めの鳶色の髪と、同じ色の瞳をした、線の細そうな男性。
 舞華の父親。ちなみに婿養子。妻とは元相棒だったのだが、結婚を機に美華が他の隊に移動。まぁ当然といえば当然。その時点で、生死を共にするのではなく、なにかあってもどちらか1人は生き残ろうと約束していたのだけど…結果は娘視点で語られている。かなり優秀な魔術師で性格の割にやり口がナチュナルにエグいともっぱら評判だった。
 妻がひたすら激しい人だったら、旦那はひたすら穏やかな人。ちょっと馬鹿。騙されやすい、ではなく、騙されてると分かっても騙されてみる人。基本お人よし。当然娘には甘々。
 娘の性格はどちらかといえば父親似。

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