「とりあえず家に戻って今後の事を決めた方が…「結婚して下さ「マスターから離れないさいっ!」

ごすっ! ずざざざざざ!!

………今目の前で起きたことを正直に話すぜ。
お互いの家の方向に向かって真夜 しんやさんと並んで歩いていたらいきなり目の前にセリさんが現れて。
いきなり両肩を掴んでプロポーズ始めたと思ったら横から出てきたナズナさんの見事な飛び蹴りが彼の側頭部に炸裂し、凄い勢いで吹っ飛んでったんだ。
今の光景を見て動揺しないやつはいない。多分。
……ちらりと横目でメーを見たがやはり硬直していた。よし。
気を取り直して真夜さんを見ると、引きつった顔で硬直していた。良く見ると鳥肌立ってる。
あー、真夜さんも動揺するんだなーと失礼な事を考えていたら、真夜さんがゆっくりとした動作で刀を抜き放つと吹っ飛んだセリさんに笑顔で言った。
「思い残すことはないか? あっても聞かないが」
「真夜さん落ちついてえええ!」
良い笑顔の真夜さんの右腕へと咄嗟に全力でしがみついて止めたのだった。

* * *

「……本当にシンなのですか?」
「全力で残念そうな顔をしたって俺が男なのは変わらねえから諦めろ。じゃねえと召喚石から叩きだす」
「大丈夫。その時はあたしが叩きだすから安心して。
 マスターの貞操は私が守るから」
「要らん。というか外見幼子が外でそう言う事は言うな」
「そんな幼子は嫌い……?」
「好きとか嫌いじゃなくて犯罪臭がするからだと常々言ってるだろうがっ」
何とかあの場をおさめてかなたさんと別れた後、てくてくと家へと向かいながら風龍二人に適当に答えを返す。
「シンが女性になると好みのど真ん中に来るのが分かったのは分かりました。
 と言う訳で娘さんを僕に下さい」
「「だ が こ と わ る」」
脊髄反射でかえしたらナズナと重なった。
家の前でぎゃーぎゃー始めた二人にため息をつき空を見上げる。
……とっとと戻る方法、探すか。



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