「…しかし、どうしようってお話ね」
「あれ? ルイはあっちにいかないの? あっちについてきゃ、安泰じゃない」
「………そういうあなたも、あちらにはいかないの」
「あたし、あっちにも嫌われちゃったもん。いけないわ」
「ねえ愛してくれる愛してくれるでしょうわたしはなんでもします。なんでもします。  どこでもあげる。だから――ねえ、誰か!」 「わたしは、もう。魔法は、嫌」
「魔法を使わないで、生きていくの」
「……できんのぉ?」
「外の世界って、魔法なんて関係なく生きているんでしょう? できるわ」
「…私は一生、力を捨てない」
「だってこれがなきゃ私は死んでいた――――殺されてた。
 なら、一生捨てるもんですか。
 むしろずーっと捨てないように説くわよ。子孫代々死に絶えるまで」
「…あなたほどの才能は、めったにでないわよ。きっと」
「なら、これを継がせる方法を見つける。億年経とうが、みつけてみせるわ」
「あなた、億年生きるつもりなの…?」
「言葉のあや! 大体私は天才だからそんなにかからない! 億年たっても伝える方法、すぐに見つけて見せるもの!」
「…それ、もう。呪い…」
「気のせいよ! だって私は――――」
「守るために授けたいのよ、この力」
「…まあ、神様に喧嘩を売った者たちの娘なんて。そうなって当たり前。むしろ、よかったと思っているわ。今日まで生きてこれて」 「…ねえ、あなた。あなたはこの目をなんと見る?」 「…どうして私に聞くんだよ」 「わたしの知る中で最も力のある魔法使いだから。そしてとっても信頼しているお友達だから。…ねえ、教えて」 「………もうとっくに、言われてるでしょうに」 「印ね。それがある限りその神様とやらはあなたを―――いいえ、あなたの血縁を見失わないのでしょう」 「そういわれたわ。なにがしたいのかしらね。ずっと見ていて、どうするの?」 「…それこそ私が知るわけないだろうが。…で、それを知ったあんたはどうする?」 「自分を嫁に求め、それを拒んだ両親を殺め。あんたに因果な印を授けた存在は、あんたをずーっと眺めている。  …どうするの」 「…どうするも、こうするも、ないでしょう?」 「私の両親は望んだというの。私が人として、ありふれた生を歩むことを祈ったというの。  ならね、それを目指すわ。…今回のことは、好都合」 「私は魔法とか、そんなものが関係ない人生を歩んで―――普通に生きて、普通に死にたい」 「…そっか。じゃ、あんたとはお別れなのかな」 「…あなたは目指すの? 昔言ってたこと」 「ねえ、ミレイ」 「ん?」 「私、あなたが好きよ。  だから、疲れたなら会いに来てね。慰めてあげる。助けられるなら助けてあげる」 「…ありがとう」 「なんなら守ってあげる。私、友達にはやさしーの」 「…あなたは友達以外にも、優しいわ」 「あなたの道に幸多からんことを」  遥霞の遠い祖先と慶の祖先ていうか始祖。
 最初はまっとうななにかしらが時代を経て歪んじゃったのなんてきっとよくあるお話。ミレイはこの後あまり幸せじゃない設定というかまだネタあるから書くかもしれない。
 慶がこのやり取りをみたらものすっごい救われるんだろうけどな。どんな形でも自分の無事を祈る人がいたとか生まれてきてよかったレベルなんだけどな。
 ルイはフツーに天寿全うしてそこそこ幸せにすごすのでしょうね。娘に青目が継がれたことでものすごい鬱に陥ったりもしますが。なおものごっつう遠い娘にも継がれる。さらにその息子も。しかし遥霞のことを神様とやらが今も見ているかは微妙。男だから。女だときっと見てる。見てるだけだけど。しかしおそらく親と長くいられない因果的なものがあると思われます。それが魔法的なものかなんか性格的な者かは微妙なところですが。
「…私は、こっそりとあちらに戻る気よ」
「あら、あいつらもあの大陸の全てを知るわけでもあるまいし。
 こっそりとしていればばれませんわ。」
「なんだかんだいって、あの土地が一番居心地がいいもの…それに」
「あいつら、あの調子じゃ、そのうちお互い争いはじめるわ。
 たかが100人、追いだしたところで満足するもんですか」
「だからそのうち、追放した邪魔ものが帰って来たかどうかなんて、気に出来なくなるよと思うの。だから、大丈夫」