デンジャラスパーティー!
「拝啓
この度『曼球沙華』でパーティーを開く事になりました。
皆さんと交流を深める為にも、ぜひ参加していただきたいです。
日時は明日の1時です。
振るってご参加ください。
P.S 服を送っておいたからそれを着てきてねv by 聖那」
いつものメンバー全員の前で、遥霞が送られてきた手紙を読み上げる。
「・・・とのことなんだが・・・・お前ら、どうする?」
そう言い、全員の答えを待つ。
「「「「「「絶対、嫌。」」」」」」
全員の言葉が同時に響く。
「だってこのグループって前に雅を轢こうとした奴がいるところでしょ?」
そういうのは流。
さすが、雅関係の恨みは忘れない。
「そんな奴等が開くパーティーに行ったら雅がどんな危険な目にあうか・・・・」
「お前の頭ってホントそればっかなのな。」
いつもどおり雅に対して過保護な流の言葉に慶はため息をつく。
「食い物の事しか頭にない君に言われたくないなー。」
笑顔で至極冷静に言っているように見えるが、心なしか青筋がたっているように見える。
「でも、賞品が出るらしい。この賞品を取る為なら俺はでてもいい。」
「賞品って?」
雅が遥霞に問う。
「俺は智華の丸秘写真、流は雅の丸秘写真、慶は食いもん、雅は前から欲しがっていたお守り、
希羅は雅輝の死、竜臣は・・・特にないそうだ。」
「何だよ、それ!!!???」
自分だけ賞品がないことに思わず抗議の声をあげてしまう竜臣。
「あの・・・私の賞品は何なのでしょうか?」
名前を呼ばれなかった智華が控え目に声をあげる。
「・・・・・・・・(汗)」
途端に、遥霞はわかりやすいほどに冷や汗を流す。
「何なんだよ?」
遥霞や流の賞品の、丸秘写真というものに疑問を持ちつつも、雅は冷や汗を流す遥霞に智華の賞品を聞く。
「い、いや・・・・智華の賞品はさ・・・・なんていうか・・・・こう・・・」
「あーもう!さっさと教えなさいよ!!」
そう言い、希羅が遥霞から賞品が書いてある紙を奪い取る。
そして、読み上げる。
「智華の賞品は・・・・東遥霞をどこか遠くに連れて行きそのまま放置・・・・・・」
希羅が読み上げたと同時に、部屋の中が静まり返る。
しかし、沈黙は至極あっさりと簡単に破られた。
「でましょう、そのパーティー。」
「「「「「えぇっ!!???」」」」」
「智華!??」
意外な人物の意外な言葉に、その場の全員が驚く。
「私だけでなくとも、全員にメリットがあるわけですから別に出ても支障はないと思うんですが?」
「確かにそうだけど・・・・・」
「智華・・・・・俺がいなくなってもいいっていうのか・・・・・・?」
「はい。」
智華の言葉によって絶大なダメージを負った遥霞は、部屋の隅に座り込んで暗い影を落としながらのの字を書き始めた。
「でもここの上の人腹黒いから賞品ゲットの為にいろんなことやらなきゃいけないと思うんだよなぁ・・・」
身に覚えがあるのか、ちょっとひくついた顔で竜臣がいう。
「そりゃぁタダで賞品くれる奴なんていないだろ。」
「えっ!?そうなのか?」
雅の言葉に信じられないというような顔をして慶が言う。
「・・・・あのな、自分が得しないことをやるような奴、そうそういると思うか?」
あきれたように雅がいう。
「それよりさ、出んのか?出ないのか?」
平行線をたどっている会話に痺れを切らし、竜臣が皆に答えを求める。
「別に出てもいいんじゃね?」
「雅が出るのならv」
「食いもん食えるんなら出るぜ!!」
「ま、私もあのストーカーに死んでほしいし。」
満場一致で参加する事に決まった。
「で、送られてきた服ってなんなわけ?」
「・・・・・あれだよ・・・」
まだショックから立ち直れていない遥霞が暗い声でそう言いながら部屋においてあるダンボールを指で指す。
希羅がその箱を開けるとたくさんの服が入っていた。
それぞれの服には誰が着るのか書いてある紙が貼ってあった。
「じゃ、明日ここに集合ってことでいいんじゃない?」
「そうだな。」
「んじゃ、また明日。」
そして、それぞれの部屋に戻っていった。
次の日
「な、何だよ、これ・・・・」
服を着替えようとした雅が更衣室で声をあげた。
「こんなの、着れるわけがねえっ・・・・・!!!」
「どうしたのよ、雅。」
そこに、希羅が自分の服をもって更衣室に入ってきた。
「き、希羅・・・お前の服は何なんだ?」
「あんたのと一緒よ。形と色は違うけど。」
「着るのか・・・・・?」
「別に抵抗はないけど・・・・って、あんたそれでつぶやいてたわけ?」
「だ、だって普通こんなの着ねえだろ!!??」
そう叫び、壁にかけてある自分の服を指さす。
女性陣の服は形、色が違うものの、すべてチャイナドレスだった。
それに、雅は抵抗を覚えていたのだ。
「しかも俺の胸元開いててスリット太ももまで入ってるしっ・・・・・」
雅のチャイナドレスは赤に黄色のラインの入った、胸元が少し丸く開いていてスリットが片側に深く入っているものだった。
それに比べて希羅のものは、青に藍色のラインの入った、スリットが両側に膝より少し上に入っているものだった。
明らかに雅のものよりは露出度が低い。
「しょうがないでしょ、これが送られてきた衣装なんだから。」
「でもっ・・・!!!」
「いいから、さっさと着なさい。」
ぐずぐずしている雅を放っておいて、希羅は着替え始めた。
「何でだよ―――!!!」
同じころ、男性陣の中からも服のことについて声をあげる者がいた。
「うわー、悲惨というかなんというか・・・・」
「でもこれ着るしかないんだよね?」
声をあげた人物は竜臣。
なぜかというと竜臣に用意されていた服がチャイナドレスだったから。
しかもご丁寧にロングヘアーのかつらまで用意されている。
ちなみに他の男性陣の服は拳法着のようなものだった。
「何で俺ばっかりこんな目に・・・・・・」
「それが運命だからじゃない?」
流の何気ない言葉が竜臣の心に突き刺さった。
「うわーvvv」
「み、雅と希羅がチャイナドレス着てる・・・・!!??」
全員が着替え終わり更衣室から出てきたところで、自分の衣装を披露するような形になった。
珍しく女の服を着ている雅に、流は歓喜の声をあげ、慶は驚愕の声をあげた。
「じっ、じろじろ見るなっ!!!///」
かたや雅は、恥ずかしそうに少し開いている胸元を手で隠しながら、顔を真っ赤にしている。
なんだかいつもより少しだけ乙女だ。
「それより・・・・智華と遥霞と竜臣は?」
他の3人がいないことに気づき、希羅がその場の全員に聞く。
「ああ、竜臣なら白蓮呼びにいったんだよ。なんか白蓮の服まで用意されてたからさ。遥霞と智華は知らねーな。」
希羅の質問に慶が答える。
そのとき、廊下に笑い声が響いた。
「あははははははははははっ!!!!!ヤバイ!何回見ても笑えるっ!!!!」
「笑うな!!!!!!」
どうやら笑っているのは白蓮、白蓮を叱咤しているのが竜臣のようだ。
「うわぁっ!!殺されるぅ!!」
そう言いながらも、白蓮は笑顔で部屋に走りこんできた。
そして視線はすぐに雅の方へといった。
「わぁ――!!雅すっごくきれい!!来てよかったvvあっ、雅あれ見てよ!やばい笑える!!!」
雅に抱きつきながら竜臣のほうを笑いながら指さす。
雅と希羅は白蓮が指をさした方に目をむける。
そこにはチャイナドレスを着た、長い銀髪を上にまとめている少女が立っていた。
「ぷっ・・・・・・」
それが誰だかすぐに分かった希羅は噴き出す。
「・・・・・・誰?」
見たことのない人物に雅は首をかしげる。
「くくっ・・・・み、雅っ・・・あ、あれは・・・・・竜臣よっ・・・・」
笑うのを必死にこらえながら、希羅が苦しそうに雅にその人物の正体を教える。
「た、竜臣・・・・・?」
少女の正体を聞いて、雅は呆然とする。
――――そういえば前、竜臣が女装するという話を聞いたことがあるような・・・・
「お前ら何やってんだ?」
そこに、今まで姿が見えなかった遥霞と智華が部屋に入ってきた。
2人は既に着替え終わっていた。
「ん?竜臣・・・・ついにそっちに走ったか?」
竜臣がチャイナドレスを着ている理由を知っているくせに、遥霞はわざとそういうことを言う。
「もう、いいよ・・・・俺はどうせこうなる運命なんだ・・・・」
よくわからないことをつぶやきながら、竜臣は言い返すことを諦める。
「それよりさぁ・・・・君は何時まで雅に抱きついているつもり?」
先ほどから雅に抱きついている青年の姿をした白蓮に、流はゴゴゴゴッとでも音がしそうな勢いで詰め寄る。
「だって僕は雅の所有物だしvvv」
「ふーん、じゃあ雅は俺のものなんだけどな?」
「それは間違ってるね。雅は僕のだもん。」
「君、頭おかしいんじゃない?」
「それは君のほうでしょ?」
お互いに笑顔で言い合いをしている。
怖い、怖すぎる。
「白蓮、早く着替えないと遅れるぞ・・・?」
「雅がそういうんなら着替えてくるvv」
そういうと白蓮は雅から離れて更衣室へ向かった。
その様子を周りは黙ってみている事しかできなかった。
「来たみたいだよ、団体さんが。」
玲人が、遥霞達の来訪を聖那に告げる。
「じゃあ、手厚く歓迎しなきゃねvv」
聖那はきれいな笑顔でそう言う。
しかし、どこまでも不適で、何かをたくらんでいる笑顔。
遥霞達一行は、広い部屋に通された。
机も何もなく、パーティーをする気配など微塵もない。
「おい、パーティーって食いもんが出るもんじゃないのか?」
物を食べる為に来た慶にとっては、食べ物がないことがかなり不満のようだ。
「言っただろ。ここの上の人は腹黒いって。」
竜臣が昨日の言葉を繰り返す。
「あらぁ。腹黒いなんてぇ。私はただスキンシップをしようとしてるだけなのに。」
そこに、聖那達一行が現れた。
聖那達も、遥霞達と同様チャイナドレスに拳法着を着ていた。
「初めまして。『曼球沙華』のリーダーの桜木聖那です。今日は皆さん楽しんでいってねvv」
「マリシエルだよvよろしく、皆さんvvv」
「望月玲人です。」
「・・・・宝蓮紫音。」
上の3人は輝かしい笑顔で、不本意ながらこのパーティーに参加させられ、
チャイナドレスまで着せられた紫音はこれもまた素晴らしい仏頂面で自己紹介をした。
「ダメよ、紫音。第一印象は良くしないと。」
「そうそう。そんな怖い顔してたら怯えられちゃうよ?」
「もともとそういう顔だからしょうがないんじゃないの?」
「うるさいっ!タレ目!!!」
「なんなんだ?あれ・・・・」
「さあ・・・・・」
自己紹介をしたと思ったらいつのまにかケンカを始めた4人を見て、遥霞達は呆然とするしかなかった。
「さて、紫音のことは放っておいて早速パーティーを始めましょうか。」
聖那がパチンッ!と指を鳴らすと、1人の青年が1つの箱を運んできた。
「これから皆さんにくじを引いてもらって、書いてある名前の人と戦ってもらいます。仲間同士で当たる事はないから安心してねv
対戦相手に勝ったら手紙に書いてあった賞品を差し上げます。」
「勝敗の決め方は?」
聖那が一通り説明し終わると、遥霞がいつもとは違う、重い声音で聖那に問う。
「勝敗の決め方は、それぞれ右腕に腕輪を装着。相手の腕輪を取った人の勝ち。ということになるわv」
そして、くじが入っている箱が遥霞達の前に移動された。
「じゃ、早速始めましょう。一番目は誰かしら?」
一番目にくじを引いたのは慶だった。
早く勝負を終わらせて食事にありつこうと考えた結果だった。
くじに書かれていた名前は『北山侑紀』。
主力の4人ではなかった。
そうとなればあとは簡単。
慶は数秒でケリをつけた。
「っしゃあぁ――っ!!」
「さすが珍獣だな。」
「食べ物のことになるとあれだもんね・・・・」
慶の戦いを見ながら、呆れればいいのか感心すればいいのかわからなくなる雅と希羅。
そして、智華、竜臣、白蓮と、ザコの名前を引き当て、各々のやり方で勝利。
智華は負けてしまったが。(ジャンケンに)
残るは主力の4人となった。
「うーん、だいぶ時間かかっちゃったわねぇ。じゃ、ここからは同時進行ということで2組一緒にやりましょうか。」
聖那の提案によって2組同時進行ということになったので、雅と流がくじを引く。
雅のくじには『望月玲人』の名が、流のくじには『宝蓮紫音』の名が書かれていた。
「雅、気をつけて。」
「あ?ああ、大丈夫だって。」
「あいつ、へらへらしてるけどけっこう強そうだし。」
「お前の方こそ。この前あいつと斬りあったけど、結構重い太刀だったぜ?」
「ねえ、そこのラブラブバカップルさん?そろそろ始めたいんだけどいいかな?」
よくやるなぁ・・・といった顔で、玲人が戦いを促す。
手には長い棒が握られている。
「ああ、いいぜ。」
玲人の問いかけに、雅が短く答える。
「それでは、お互いに加勢できないように壁を作っちゃいましょうvv」
聖那がそういうと、雅と玲人、流と紫音を閉じ込めるようにして、2組の檻のようなものが上から落ちてきた。
「バトルスタートvv」
聖那の声が響くと同時に、2組の戦いが始まった。
「俺、女の子を痛めつけるような趣味はないんだけどなぁ?」
「女だと思って油断すると痛い目みるぞ。」
紫音が湾曲刀を構えながら流を見据える。
駆け出し、流に斬りかかる。
流はすべての斬撃を、ギリギリのところで、尚且つ余裕で避けていた。
「へえ・・・・言うだけはあるね。」
繰り出される攻撃を避けながら、微笑を浮かべてつぶやく。
「でもさ・・・・」
がしっと、湾曲刀が握られている紫音の腕をつかむ。
「後ろがガラ空き、だよ?」
腕を捕まれた紫音は、小さく舌打ちをする。
―――いつだ?いつ、後ろに回った・・・・?
紫音には流の動きが見えていなかった。
紫音は体を捻って流に蹴りを入れ、流の手から逃れた。
「この間はどーも。」
「あれ、覚えてるんだ俺のこと。まあ、轢こうとしたしね。」
玲人は変わらぬ笑顔で、雅と会話をする。
しかし、雅には周りの空気が冷たくなったように感じられた。
「あれからちょっと君の事調べさせてもらったんだけど・・・・なかなかおもしろい経歴を持ってるね。」
「だから?」
玲人の言葉に雅は顔をしかめる。
なるべく、他人に自分の過去には触れてほしくなかった。
「いや?これからもちょっと調べてみたいな。って思っただけだよ。」
「これから?」
「そう。戦いの中でね!!」
玲人はすばやく雅の後ろに回りこむと、棒を力の限り振った。
雅は棒を避けると、玲人との間合いを取る。
「警戒してるんだ?刀、抜かないの?」
雅の手に握られている刀を棒で指し示す。
「俺の勝手だろ。」
「じゃあ、抜かなきゃいけないような状況にしてあげようか。」
「ねえ、腕輪渡してくれないかな?」
「なんだと?」
流の言葉に、紫音の眉間のしわが深くなる。
「君じゃ俺に勝てない。だから、潔く諦めて腕輪を渡してくれないかって言ってるんだよ。」
「そんな条件、飲むと思うか?」
「ま、思わないけどね。」
にっこりと、笑顔で答える。
その笑顔が、紫音の感情を逆撫でした。
「いつまでもへらへらへらへらと・・・・やる気あんのか?さっきから攻撃も仕掛けてこないで。」
「やる気・・・・ないわけじゃないけど、最初に言ったよね?女の子を痛めつける趣味はないって。」
「フェミニストのつもりか?」
そう言い、紫音は流の後ろに回りこむ。
ガッ!!!!
鈍い音が、部屋に響いた。
「!?どこにっ・・・・・」
急に玲人の姿が消え、雅は辺りを見回した。
「うっ、あっ!!???」
急に、雅の体がガクンッと下がった。
玲人に棒で足を払われ、雅は床に仰向けになって倒れた。
玲人は雅の腹に棒を突き立て、雅を見下ろす。
「かはっ・・・」
「まだ、刀抜かないの?それにしてもこの間より動きが鈍いね・・・・・
チャイナドレスだから下着が見えること心配してんのかな?なかなか女の子らしいところあるんだ。」
「っるせぇ・・・・・そんなんじゃ・・・・・」
雅は顔を紅くして答える。
「わかりやすいねー。君さ、人に刀向ける事に抵抗あるでしょ。この前の戦いのときとかもあまり本気出してなかったみたいだし?
人殺すことがそんなに嫌い?」
「・・・俺は護り屋だから、人は殺さない。人を殺さないことが、約束だから。」
雅は刀を手放す。
「ふーん。それが『あの人』との約束ってわけね。」
「!!??てめぇ・・・そんなことまでっ・・・・」
雅は玲人を睨み、ギリッと歯軋りをする。
「言ったよね?調べさせてもらったって。それ以外にも知ってるけど?」
「相変わらずサディストねー。」
「普通にしてればかっこよく見えるのに。」
玲人と雅のやり取りをみて、聖那とマリシエルはやれやれといった感じに会話をする。
「紫音は押されてるし・・・・・」
「珍しい事もあるものね。」
「畜生・・・・・・こんな奴に負けるなんてっ・・・・」
紫音は怒りで体が震えていた。
右手につけていた腕輪は既にない。
「なかなか強かったよ、君。それにこれからも伸びる可能性を秘めてる。」
流は、奪った腕輪を手で持て遊びながら紫音に告げる。
「貴様に言われてもうれしくない・・・・」
「だろうね。」
流は笑顔でそう言い残すと、遥霞達のところへ戻っていった。
「おっと。」
玲人はぶつけられた風によって吹き飛ばされながら、空中で体勢を立て直し着地した。
「へー。それが君の能力ね。凄いじゃん。」
「思ってもないことを・・・・」
雅は再び、玲人に風をぶつける。
「同じ攻撃が通じると思う?」
玲人は風を避け、雅の後ろに回りこみ、棒を雅に振り下ろす。
しかし、雅はその場から動こうとしない。
――――避けない・・・?
ガッ!!という音がして、棒が雅の頭のところで止まった。
しかし、棒は雅に届いてはいなかった。
「風の壁・・・・!?」
雅は自分の周りに風の壁を作り、攻撃を防いでいた。
雅は棒を掴み玲人の動きを封じると、腕輪がはめられている右腕に手を伸ばす。
――――ヤバイ!!
玲人は棒を掴んでいる雅の腕を振り払い、雅の右肩を棒で突き、雅を突き倒した。
「ぐっ・・・・!!!」
「あー危なかった。」
本当は思っていないような、軽い調子で言う。
「痛って―・・・・肩外れるかと思った。」
突かれた右肩を抑えながら、雅は立ち上がる。
「しぶといね。」
「そっちこそ。」
お互いに笑いあうと、再びぶつかり合った。