―――私がそのおばあさんをに会ったのは、子供の頃だった。
その人は、毎年お盆の時期になると、お饅頭をもって、丁寧にお墓を掃除していく。
暑い時期に、老体で。危ないなあ、と思って声をかけたら怒られた。
年寄り扱いするんじゃないの、と。
どうみても年よりだから、むっとした。
むっとすると、おばあさんは笑った。
でもいい子ね。見ず知らずの人を心配するなんて。よい子よい子。と。
最初の険しい顔はなんだったのだというくらい、穏やかな顔だった。
からかうような口調で、声はやけに優しかった。
その人は毎年、暑い時期に墓を掃除して。
それを心配してみていると、ぶつぶつ呟いてきた。
まったくもう、こんなの長女の仕事でしょうに。先に押し付けて。無責任な。
本当にもう、ここにいるのはね、あなたみたいにアホみたいに人の心配ばかりしていたアホなのよ。
もう、私の人生であれを超えるアホは中々いなかったわよ。
いや、私の友人にはその手のアホが多かったけれど―――……
ぶつぶつと、不機嫌そうに言うその人は、それなのに顔は穏やかだった。
―――そのおばあさんが、お墓にもたれるかのように死んでいるのを発見したのは、今年の夏。
なんだか、酷く幼げで、満足げな顔で眠っていた。
***
―――長く。
長くここにいた気がする。
なぜここにいるのか。―――分からない。
腕の中のこれはなんだろう。誰の遺体だろうか。―――分からない。
ただ、ごめんなさい、と。
その言葉だけが。残っている。
ただ、ごめんなさい、と。
誰かに言いたくて。言えなくて。いう前に死んでしまって。私が?この子が?別の誰かが?
―――もう、なにも残っていない。
けれど、何度か問いかけた。
何度も問いかけるために、残っている。
だから、目の前のおばあさんにも、問いかけた。
私はどうすればよかったのかしら。
どうすればこの子を助けられたかしら。
どうすれば生きていれたかしら。
――――だって。私は。
私がいなくなったら泣いてしまいそうな誰かを。
あの時思い出せなかった誰かを。
本当は。
―――ああ、でも。私は誰で。この子は誰で。あの子は誰?
何もわからないでいると、殴られた。
平手ではなく、ぐーだった。
おばあさんとは思えないいいこぶしだった。
泣いている人間だとは思えない、いいこぶしだった。
「――――どこまで馬鹿よ、この…馬鹿ぁ…!」
私を抱いて泣くその声に、何かを思い出すことはない。
思い出すことなど、ないというのに。
「―――……ごめんね」
ああ、やっと謝れた。
それはとある姉妹の最高に幸福ないつかのお話。
ということがいつかあるのかもしれないしないのかもしれない。
あの空間は元々ニャル様に魂売った魔術師が、ニャル様愉悦仕様の魂の束縛・亜種使ってでできた空間だから。愛するものには決して会えない仕様です。
愛していたことも、自分のことも忘れた頃に会えるかもしれません。
彼女の待ち人、数人殺ってるから。
しかし天寿まっとうしないでその辺とか謎空間でのたれ死ぬかもしれない、待ち人、探索者だから。
まあ、シナリオには関係のない話です。
成仏ルート亡霊の撤退唱えられるだけだから。
殺すとフツーに消えて、もしも川でふりむけば最後ぼーっと探索者を見てちっちゃいSANチェックが入ります。幽霊だもの。
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