ダイスは言っている。脳筋だ、と。

 色々とふがいない。
 色々とふがいないので、とりあえずジムに行ってみた。
 どうせ休暇中だ。なにをしても自由だ。
 かつ休暇中に実家で鍛えたり動いたり家の手伝いをすると、両親が心配する。

 …過保護だ。
 あの人達の中で、俺はあった時の姿のままなのだろう。
 問題あるだろ、実家に帰ってきてなにもしない27歳成人男子。
 思うところはあるが、ありがたい。
 愛情なのだろう。縁もかすりもない上に、テロリストにされかけていた人間に対する、惜しみない、

 愛情なのだとうれしいし、こそばゆい。
 ただ………。

「あれ、りゅーや君」

 ただ、ジムでこともなにげにクソ重いダンベル持ってる大学生に、眉が寄った。
 ねえ、あなた。やっぱり非力って言うのは明らかに嘘だろう。

***

「……御厨さん」
「ん?」
「なぜ頭をなでるんですか」
「怪我してたけどあと残ってなくてよかったなー、と思って」
「怪我したのは腕と腹です。…なんで、頭を、撫でるんですか」
「…なんとなく?」

 なにがなんとなくだ。訳が分からない。
 落ち着かない。
 振り払っても別に問題はないはずだ。

 というか、これが逆だったらセクハラ―――ロリコンといわれるだろうに。世の中は理不尽だ。

 ………けれど。
 なんとなく、という顔が、本当になんなのかわかっていない風だったので。
 自分自身でもわかっていないような顔をしていた、ので………

「……」

 立ち上がるだけで振り払える手を振り払う気になれない。
 ―――始めてきたはずのジムで、なにか。
 なにか、なぜかひどく眠くなったからだろう。

宗教団体に拉致された子供→宗教団体の少年兵→アメリカで保護→なじめずに日本人の刑事のところに引き取られる。…とえぐい変哲をたどった竜夜君はちょっとえぐい目にあってるせいで笑顔が上手です。作り笑顔。
でも両親とか同僚には恵まれているのか、ねじれてはいません。
本名というか、アメリカいた時の名前はラケルタ。一時期孤児院の苗字名乗ってたからラケルタ・コリンズ。
トカゲはひどいだろってことで今のお父さんが竜に変えた。
アメリカだと今もそっち使ってるのかもしれないけどね。
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行き連り恋慕殺人事件ネタバレSS+過去話

 声がする。
 なつかしい、まったく慕わしくはない声が。

 これは名誉なことだという。
 人は劣った種族であり、その文明は醜いと。

 これは名誉なことだという。
 この薬を飲んで、生きて入れたら。
 カミサマのいとし子になれる。

 そうでないと、ヒトは救われないそうだ。
 ―――よくしゃべる、おそらくは知能に秀でたと判断されたであろう仲間は、そう語る大人につれていかれた。
 たいていはのたうちまわって死んだ。
 死ななかったものがどうなったのかは、よくわからない。知らない。

 ただ、埋めるのは子供の役目だった。
 薬で死んだ子供や、食べかすを捨てるのは俺たちの仕事だった。

 埋める役目を担った子供の仕事は、もう一つ。

 体を鍛えること。
 色々な戦い方を覚えること。

 カミサマが食べるための子供を連れてくること。
 あるいは、町で爆弾を抱えて歩くこと。

 それを命じる大人は言うのだ。

 これは名誉なことなのだ、と。
 ヒトは後から来たよそ者。それは生きているだけで罪深い。

 だからそれを殺して、ようやくヒトは救われる。
 カミサマのもとにいくことができる。

 ああ。それが本当ならば。
 なぜおまえらではなく、俺たちにさせるんだ?

 それがすべての、答えだろうに。

***

 おかしなことを言うと思った。
 カミサマがいる。呼び出せる。それは彼女の言うことを聞く。
 ―――それはいいだろう。

 おかしなことを言うと思った。
 生贄―――要求の数が明確でないということは、限りがない、際限がないということだろうに。
 恐くないのだろうか。
 案じないのだろうか。
 近くにいる、おいしそうな肉から食われると思ないのだろうか、と。

 おかしなことだ、本当に。
 信者だというだけで要求を呑んでくれるなら、なんで生贄が必要なんだ。
 なんで呼んだだけで出てこないんだ。

 カミサマが、無償で、人になにかをなしてくれるなら――――……

 ――――どうして俺たちはたべられなきゃいけなかったんだろう。


 耳鳴りがうるさい。
 声がする。

 これは名誉なことなのだと、古い訛りのある英語が。たえまなく聞こえる。
 今目の前で狂気を語るのは、日本のかわいそうな女だというのに。

 声が、今も。絶え間なく、とめどなく。

 これは名誉なことなのだ。
 カミサマのために死ぬことは、名誉なのだと―――……

 ……ああ、本当に。
 今もやかましくてしかたないから。
 それを囀る人間を一人残らず片付けたら、しずかにすごせるのだろうか。

***

 咀嚼されていく女に、つい感嘆の声がもれた。
 ああ、あなたは俺の知っている大人より、ずいぶんと根性があるようで、と。

導入の感じと注意事項からしてラブホでやることやると出てくる情報っていうのもありそうだよなぁ。
交渉技能でどうにかなればいいけど、どうにかなるならR18ってつけないんじゃないかなぁ。かなりの確率でラブホ利用になるんじゃないかなぁ…。
耕口はクソ真面目だし木見原若干「色仕掛けしてくる女性恐怖症」発症してるんだよな…。いや、別に曲げればいいだけだけど。あの二人、友達知人のためならそういうことするけど。かわいそうだな!
て思ってこっちにしたけどなんか内心修羅場そうで楽しかったなと思いました。

イグ信者くずれ(ただしあんまり正式というか、効果のある形で信仰できてない)(血清もひどく不完全)(退化して喋れない蛇人間信仰はしてた)(信仰の一環で人が子供食ってた)に二束三文で買い取られて死ぬはずだったシナリオNPCみたいな男。
助けたNPCのその後、みたいな人。

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